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協働ロボットで始めるスマートファクトリー|FAIRINO導入ガイド

  • ロボットチームKA
  • 11月7日
  • 読了時間: 4分

製造業の自動化は、いま「スピード×柔軟性×データ」を武器にした第二章へ。IoT・AI・デジタルツインが工場全体をつなぎ、リアルタイム最適化を実現する“スマートファクトリー化”が加速しています。その中心にいるのが、人と同じ空間で安全に動ける**協働ロボット(コボット)**です。本記事では、協働ロボットの基本からスマートファクトリーとの接続、導入設計の勘どころまで“現場視点”で解説します。



協働ロボットとは?—「柔軟な自動化」を実現する主役


定義人と同じスペースで安全に作業できる産業用ロボット。安全柵の削減(※リスクアセスメントは必須)により、省スペースかつ短期間で立ち上げ可能。


主な特徴


  • 安全性:力覚・トルクセンサー、速度/トルク制限、停止カテゴリなどを備え、ISO 10218 / ISO/TS 15066に準拠する設計が主流。

  • 直感操作:ダイレクトティーチングやブロックUIで、専門言語なしでも動作教示が可能。

  • 小型・軽量:移設や段取り替えが容易。多品種少量・変動需要に強い。



スマートファクトリーとコボットの関係


スマートファクトリーのゴールは「止まらない・ムダがない・すぐ変えられる」工場。協働ロボットは現場の作業点にデータと柔軟性を持ち込み、次の3つを実現します。


1) IoT/AIとの連携(可視化→予兆保全)

  • ロボットのトルク・電流・姿勢、ビジョン検査データをMES/クラウドへ送信

  • AIが品質のばらつき設備異常の兆候を検知 → 不良・停止を未然に防止


2) フレキシブルラインの構築

  • キャスター台×協働ロボット×クイックチェンジャで一日単位のレイアウト変更

  • レシピ切替で段取り時間を最小化し、変種変量に追従


3) 人とデータの融合

  • 作業者のノウハウ(動かし方・当て方・速度)をティーチングでデータ化

  • 標準作業をロボットが安定再現 → 技能継承教育負荷の低減



フェアリノ(FAIRINO)で始めるスマート化の第一歩


FAIRINOの強み(要点)


  • 安全設計:国際安全規格に準拠する設計思想。リスクアセスメントに沿った安全レベル構築が容易。

  • 直感操作:ダイレクトティーチング/わかりやすいUIで、立ち上げが速い。

  • 拡張性:ビジョン、各種グリッパ、PLC、ROS・Python/C++ 連携などに対応。

  • コスト最適:本体・周辺含めたTCO(総所有コスト)を抑えやすく、スモールスタートに最適


よくマッチするユースケース


  • ピック&プレース/箱詰め/検査の自動化(夜間無人化に有効)

  • ねじ締め・組立の標準化(バラつき抑制)

  • パレタイジング(人の腰負担を低減)

  • 外観検査×AIビジョン(官能検査の置換)


導入設計の勘どころ(現場視点チェックリスト)


1. 工程選定(まずは“単純×反復×ボトルネック”)

  • タクトが安定/把持点が明確/安全対策が取りやすい工程から着手

  • KPI:稼働率(稼働/待機)、不良率、段取り時間、人員工数


2. ハンドと治具(80%はハンドで決まる)

  • 把持安定性>多機能。ワンタッチ段取り・ツールチェンジャを検討

  • ワーク公差・摩擦係数・表面傷対策の事前検証を実施


3. データ連携(“つなぐ”を最初から設計)

  • 収集:トルク/電流/サイクルタイム/ビジョン結果

  • 活用:SPC、予兆保全、トレーサビリティ(ロット紐づけ)


4. 安全とレイアウト(実機前に紙で詰める)

  • 協働モードの速度・力制限、非常停止、危険エリア定義

  • 台車・架台・光電・セーフティスキャナの組み合わせ設計


5. ROIの目安

  • 公式:(削減人件費+増産利益+品質コスト削減)÷総投資

  • 目標回収:12〜24か月(夜間無人化・二直化で前倒し可)


90日パイロット計画(テンプレ)

  • Day 0–14|現場診断:工程観察、KPI定義、簡易ハンド試作

  • Day 15–45|PoC:仮治具・ロボットで小規模連続運転、リスク評価

  • Day 46–75|本設計:量産治具・安全回路・データ連携設計

  • Day 76–90|立ち上げ:標準作業確立、教育、KPIレビュー



まとめ—“人×ロボット×データ”で、工場は強くなる


協働ロボットは、スマートファクトリー時代の現場OS。柔軟性・安全性・データ連携力を備えたFAIRINOを起点に、まずは一工程のスモールスタートから。KPIで効果を見える化し、横展開する――それが、確実に勝てる自動化の王道です。


付録:導入前Q&A


Q. まずどの工程から始めるべき?A. 「単純×反復×ボトルネック×安全対策が明快」な工程。例:箱詰め、検査供給、ねじ締め。


Q. 技能継承は本当にできる?A. ダイレクトティーチングで“手の動き”をデータ化し、AIビジョンで“目の判断”も再現可能です。


Q. 既存設備との連携は?A. I/O・フィールドバス・PLC連携、ROS/REST等のソフト連携で段階導入が可能です。

 
 
 

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