
Troubleshooting Guide / Fault Finding Guide
トラブルシューティングガイド
トラブルシューティングガイドとは、設備、装置、ロボット、制御盤、搬送機、検査装置、空圧機器、電装機器などで発生した異常や停止に対して、原因を切り分け、確認手順を追いながら、復旧方法へ導くための手順書や判断資料のことです。
製造設備、自動化ライン、保全部門、現場復旧対応で非常に重要な資料の一つです。
設備トラブルは、同じ「停止」でも原因が一つとは限りません。たとえば、センサ異常に見えても実際には配線断線、電源低下、エア圧不足、通信異常、設定ズレなど、複数の可能性があります。こうしたとき、場当たり的に触ってしまうと復旧が遅れたり、別の不具合を起こしたりすることがあります。
そこで、症状ごとに確認順序と判断基準を整理し、原因を効率よく絞り込めるようにしたものがトラブルシューティングガイドです。
つまり
※トラブルシューティングガイドとは、設備異常の原因を順序立てて切り分け、適切な復旧へ導くための実務用ガイドです。
■トラブルシューティングガイドの役割
トラブルシューティングガイドの主な役割は、異常発生時に確認すべき順番を明確にし、復旧時間を短縮することです。
主に次のような目的で使われます。
・異常原因の切り分け
・確認手順の標準化
・復旧時間の短縮
・誤対応や手戻りの防止
・保守の属人化防止
・新人や非専門者の支援
・再発トラブルへの迅速対応
・安全な復旧作業の支援
◆つまり、トラブルシューティングガイドは異常時に迷わず正しい順番で確認、復旧するための道しるべです。
■なぜ重要なのか
設備トラブルは、発生した瞬間のプレッシャーが大きく、現場では「早く直したい」という思いから、原因を整理せ ずに部品交換や設定変更をしてしまうことがあります。
しかし、それでは真因を見逃したり、再発したり、場合によっては別のトラブルを招くことがあります。トラブルシューティングガイドがあれば、誰が対応しても一定の手順で原因に近づきやすくなります。
トラブルシューティングガイドが重要な理由は次の通りです。
・原因切り分けを早めやすいため
・復旧の手戻りを減らしやすいため
・不要な部品交換を防ぎやすいため
・異常時の判断を標準化しやすいため
・保守対応のばらつきを減らしやすいため
・設備停止時間を短縮しやすいため
◆特に、自動化設備や複数の要素が連動する設備では重要度が高くなります。
■主な記載内容
トラブルシューティングガイドには、一般的に次のような内容を記載します。
1. 症状
どのような異常が起きているかを整理します。例:動かない、センサが入らない、通信エラー、 原点復帰できない などです。
2. 想定原因
その症状に対して考えられる原因候補を列挙します。例:電源異常、断線、エア圧不足、部品故障、設定ミス などです。
3. 確認手順
何をどの順で確認するかを記載します。例:電源確認→エラーコード確認→センサLED確認→配線確認 などです。
4. 判定基準
正常か異常かをどう判断するかを記載します。例:圧力0.5MPa以上、LED点灯、通信ランプ緑点灯 などです。
5. 復旧方法
原因が確認できた後、どのように復旧するかを記載します。例:再接続、部品交換、原点復帰、設定再読込 などです。
6. 注意事項
安全上の禁止事項、再起動条件、部品交換時の注意などを記載します。
■主な対象
トラブルシューティングガイドの対象に は、次のようなものがあります。
・ロボット設備
・制御盤
・PLC、HMI
・サーボ、インバータ
・センサ、カメラ
・コンベア、搬送装置
・空圧、真空ユニット
・検査装置
・画像処理装置
・周辺治具や補助装置
◆つまり、異常時に原因切 り分けと復旧が必要になる設備全般が対象になります。
■メンテナンスマニュアルとの違い
メンテナンスマニュアルは、点検、整備、交換、復旧などを広くまとめた保全資料です。
一方、トラブルシューティングガイドは、異常発生時の原因切り分けと復旧に特化した実践資料です。
つまり、
・メンテナンスマニュアル=保全全般の手順書
・トラブルシューティングガイド=異常時対応に特化した手順書
という違いがあります。
■エラーログ分析との違い
エラーログ分析は、設備が残した履歴情報を読み解いて原因を探る方法です。
一方、トラブルシューティングガイドは、その場で確認すべき順番や判断基準をまとめたガイドです。
つまり、
・エラーログ分析=履歴を読む分析手法
・トラブルシュ ーティングガイド=現場対応用の判断手順
という違いがあります。
■主な作り方
トラブルシューティングガイドは、一般的に次の流れで作成します。
1. よくある異常を整理する
頻発する停止や現場で困る症状を洗い出します。
2. 症状ごとに原因候補を出す
電源、配線、センサ、通信、設定、機械干渉などに分けて整理します。
3. 確認順序を決める
簡単に見られるもの、安全に確認できるものから順に並べます。
4. 判定基準を書く
正常状態が何かを明確にして、迷わないようにします。
5. 復旧方法を整理する
再起動、部品交換、設定復元、原点復帰などを具体的に書きます 。
6. 現場で使って改善する
実際のトラブル対応で使い、分かりにくい箇所や抜けを修正します。
■実務で重要なポイント
トラブルシューティングガイドを使える形にするには、次の点が重要です。


