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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

Strain Wave Gear

波動歯車減速機

波動歯車減速機とは、弾性変形を利用して高い減速比を得る特殊な減速機のことです。産業用ロボット、協働ロボット、精密位置決め装置、医療機器、宇宙機器、半導体装置など、高精度、小型、軽量が求められる機械で広く使われています。


一般的な歯車減速機は、複数の歯車をかみ合わせて減速しますが、波動歯車減速機は少し仕組みが異なります。主に、・ウェーブジェネレータ・フレクスプライン・サーキュラスプラインという3つの要素で構成され、薄肉で弾性変形する部品を楕円状にたわませながら歯をかみ合わせることで減速を行います。


この構造により、非常に大きな減速比をコンパクトなサイズで実現しやすく、しかもバックラッシを小さく抑えやすいのが特徴です。そのため、ロボットの関節軸のように、小型で高精度な回転制御が必要な場所に適しています。


つまり波動歯車減速機とは、弾性変形を利用して小型、高減速比、低バックラッシを実現する精密減速機です。



■波動歯車減速機の役割


波動歯車減速機の主な役割は、モーターの高速回転を高精度に減速し、小さなスペースで大きなトルクと精密な位置決め性能を得ることです。


主に次のような目的で使われます。


・ロボット関節の減速

・高精度位置決め

・小型機構の高トルク化

・低バックラッシ化

・装置全体の小型、軽量化

・滑らかな回転制御

・精密搬送や組立装置の駆動

・多軸装置の高密度化


つまり、

◆波動歯車減速機は小型で精密な駆動系を成立させるための重要部品です。



■なぜ重要なのか


ロボットや精密装置では、ただ回転を遅くするだけでなく、位置決め誤差が小さいこと遊びが少ないこと小さいスペースに収まることが重要です。通常の減速機ではサイズが大きくなったり、バックラッシが問題になったりする場合があります。


波動歯車減速機が重要な理由は次の通りです。


・高い減速比を小型で得やすいため

・バックラッシを小さくしやすいため

・ロボット関節に組み込みやすいため

・精密位置決めに向いているため

・軽量化しやすいため

・協働ロボットや小型ロボットに適しているため


つまり、

◆波動歯車減速機は小型高精度ロボットを支える代表的な減速機です。



■主な構成要素


波動歯車減速機は、一般的に次の3つの部品で構成されます。


1. ウェーブジェネレータ

楕円形のカム構造を持ち、フレクスプラインを弾性的に変形させる役割を持ちます。


2. フレクスプライン

薄肉で柔軟にたわむ歯車部品で、波動歯車減速機の中心的な特徴を持つ部品です。


3. サーキュラスプライン

フレクスプラインの外側に配置される剛性の高い内歯車です。


◆この3つが組み合わさり、フレクスプラインが楕円状に変形しながら歯をかみ合わせることで

 減速が行われます。



■基本的な仕組み


波動歯車減速機の基本的な仕組みは、次のように理解すると分かりやすいです。


1. ウェーブジェネレータが回る

入力側からウェーブジェネレータが回転します。


2. フレクスプラインが変形する

楕円状に変形し、外側のサーキュラスプラインと一部だけ歯がかみ合います。


3. 歯数差で減速が生まれる

フレクスプラインとサーキュラスプラインには歯数差があるため、この差によって大きな減速比が生まれます。


つまり、

◆波動歯車減速機は弾性変形と歯数差を利用して減速する特殊構造です。



■一般的な歯車減速機との違い


波動歯車減速機と一般的な歯車減速機の違いは、主に構造と特性にあります。


一般的な歯車減速機

複数の歯車を段階的にかみ合わせて減速します。


波動歯車減速機

弾性変形する歯車を使い、歯数差で大きな減速比を得ます。


つまり、

・一般減速機=構造が比較的標準的

・波動歯車減速機=特殊構造で小型、高精度向きという違いがあります。



■RV減速機との違い


ロボット用減速機としてよく比較されるのが RV減速機 です。


波動歯車減速機

小型、軽量、低バックラッシに優れ、比較的小型ロボットや手首軸によく使われます。


RV減速機

高剛性、高耐久、高トルクに優れ、中大型ロボットや高負荷軸に向いています。


つまり、

・波動歯車減速機=小型、高精度、軽量向き

・RV減速機=高剛性、高耐久、大トルク向きという違いがあります。



■ロボットとの関係


波動歯車減速機は、特に次のようなロボットで重要です。


1. 協働ロボット

軽量、小型、コンパクトな関節構造を作りやすいため、非常によく使われます。


2. 小型多関節ロボット

関節スペースが限られるため、小型高減速比の特徴が活きます。


3. 精密位置決め装置

バックラッシが小さいため、位置決め精度が求められる軸で有利です。


つまり、

◆波動歯車減速機は特に小型で高精度なロボット関節と相性が良い減速機です。



■主なメリット


波動歯車減速機には、一般的に次のようなメリットがあります。


1. 小型で高い減速比を得やすい

限られたスペースでも大きな減速比を実現しやすいです。


2. バックラッシが小さい

遊びが小さく、高精度な位置決めに向いています。


3. 軽量化しやすい

ロボットアーム全体の軽量化に貢献しやすいです。


4. 同軸構造にしやすい

入力軸と出力軸を同軸にしやすく、関節構造をコンパクトにまとめやすいです。


5. 精密制御に向く

協働ロボットや精密組立装置のような用途で有利です。



■注意点


一方で、波動歯車減速機には注意点もあります。


1. 衝撃や過負荷に注意が必要

構造上、過大な衝撃荷重がかかると寿命低下や損傷の原因になることがあります。


2. 剛性は用途で見極めが必要

高精度には向きますが、高負荷用途ではRV減速機のほうが有利な場合があります。


3. 寿命管理が重要

フレクスプラインの繰り返し変形を利用するため、使用条件によって寿命管理が重要です。


4. 潤滑条件が重要

グリスや潤滑状態が性能や寿命に大きく影響します。


5. コストが高い場合がある

高精度部品のため、一般的な減速機より高価になることがあります。



■実務で重要なポイント


波動歯車減速機を正しく選定、運用するには、次の点が重要です。


1. トルクだけでなく負荷変動を見る

最も重要なのは、定常トルクだけでなく、加減速、衝撃、繰り返し負荷まで含めて考えることです。


2. 精度と剛性のバランスを見る

高精度用途には有利ですが、高剛性や高耐久が最優先なら他方式も比較が必要です。


3. 使用寿命を意識する

動作回数、負荷条件、姿勢条件によって寿命が変わるため、想定タクトで評価することが重要です。


4. グリス管理を行う

潤滑状態が悪いと性能低下や異音、寿命低下につながります。


5. 衝突履歴に注意する

ロボットの衝突や過負荷があった場合、減速機へダメージが残ることがあります。


6. 関節全体で設計する

減速機単体ではなく、モーター、アーム長、可搬重量、制御条件と合わせて考える必要があります。



■よくある課題


波動歯車減速機の運用では、次のような課題が起こりやすいです。


・小型だから何にでも使えると考えてしまう

・衝撃荷重を見落とす

・寿命条件を十分に見ていない

・高負荷用途でも無理に採用する

・潤滑管理が不十分

・精度低下の原因が減速機だと気づきにくい

・衝突後の点検をしていない

・RV減速機との使い分けを誤る


このため、

◆波動歯車減速機は高性能な一方、用途条件に合わせて適切に選ぶべき精密減速機です。



■自動化との相性


波動歯車減速機は、自動化設備との相性が非常に良い減速機です。特に、協働ロボット、小型多関節ロボット、精密位置決め装置で大きな価値を発揮します。


主なメリットは次の通りです。


・小型高精度なロボット関節を作りやすい

・低バックラッシ化しやすい

・軽量ロボットに向いている

・精密組立や検査装置と相性が良い

・省スペース設計に貢献しやすい

・高性能自動化を支えやすい



■まとめ


波動歯車減速機とは、弾性変形を利用して高い減速比を得る特殊な精密減速機です。ウェーブジェネレータ、フレクスプライン、サーキュラスプラインで構成され、小型、軽量、低バックラッシ、高精度という特徴を持ちます。特に協働ロボットや小型多関節ロボットの関節軸でよく使われています。


実務では、トルクだけでなく、衝撃荷重、寿命、潤滑、剛性、用途適性まで含めて評価することが重要です。適切に選定、運用できれば、小型で高精度な自動化設備を実現しやすくなります。

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