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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

Repetitive Positioning Accuracy

繰り返し位置決め精度

繰り返し位置決め精度とは、ロボット、位置決め装置、サーボ軸、工作機械、搬送機構などが、同じ指令位置へ何度も移動したとき、どの程度同じ位置へ再現よく止まれるかを示す性能のことです。産業用ロボットや協働ロボットでは、カタログ仕様の中でも非常に重要な基本指標の一つです。


一般的には「±0.02mm」「±0.05mm」などの形で表記されます。この値が小さいほど、同じ位置へ繰り返し戻る能力が高いことを意味します。たとえば、繰り返し位置決め精度 ±0.03mm のロボットは、同じ教示点へ何度も移動したときのばらつきが比較的小さいことを示します。


ただし、この性能は「絶対に狙った座標へ正確に行ける」ことを意味するわけではありません。あくまで、同じ条件で同じ位置を繰り返し再現できるかを示す値です。


つまり繰り返し位置決め精度とは、ロボットや装置が同じ位置をどれだけ安定して再現できるかを表す基本性能です。



■繰り返し位置決め精度の役割


繰り返し位置決め精度の主な役割は、設備が同じ作業を何度も安定して繰り返せるかを判断する基準になることです。


主に次のような目的で使われます。


・ロボット選定の基準

・自動組立の成立判断

・搬送や把持の安定性確認

・加工や塗布の再現性確認

・品質ばらつきの評価

・工程能力の検討

・治具設計条件の判断

・タクトと品質の両立確認


つまり、繰り返し位置決め精度は量産工程で安定した品質を維持できるかを見極めるための重要指標です。



■なぜ重要なのか


自動化設備では、一度うまく動くだけでは不十分です。100回、1000回と繰り返しても、同じ位置、同じ姿勢、同じ精度で動作できることが重要です。


もし位置ばらつきが大きいと、


・ワークをつかみ損ねる

・組付け位置がずれる

・検査位置がずれる

・塗布やねじ締め位置がずれる

・品質ばらつきが増える


といった問題が起こります。


そのため、繰り返し位置決め精度は、特に量産、自動組立、検査、搬送工程で非常に重要です。



■絶対位置精度との違い


繰り返し位置決め精度とよく混同されるのが、絶対位置精度です。


繰り返し位置決め精度

同じ点へ何度行っても、どれだけ同じ位置へ戻れるかを示します。再現性の指標です。


絶対位置精度

指令した座標そのものに対して、どれだけ正確に到達できるかを示します。狙った位置そのものへの正確さの指標です。


つまり、

・繰り返し位置決め精度=同じ点にどれだけ安定して戻れるか

・絶対位置精度=狙った座標へどれだけ正確に行けるかという違いがあります。


たとえば、あるロボットが少しずれた場所に毎回ぴったり止まるなら、繰り返し位置決め精度は高いが、絶対位置精度は高くないということがあります。


■主な影響要因


繰り返し位置決め精度は、次のような要素の影響を受けます。


1. 機械剛性

アームや軸の剛性が低いと、たわみや振動でばらつきが増えやすくなります。


2. サーボ制御性能

モーター、エンコーダ、制御系の性能によって停止再現性が変わります。


3. 負荷条件

ワーク重量やエンドエフェクタ重量、重心位置によって再現性が変わることがあります。


4. 速度、加速度

高速動作では停止時の振動やオーバーシュートの影響が出やすくなります。


5. 温度変化

長時間運転による温度上昇で、寸法変化や制御条件変化が起こることがあります。


6. 設置条件

架台剛性不足や床振動の影響で、再現性が悪化することがあります。



■ロボットでの意味


ロボットでは、繰り返し位置決め精度は非常に重視されます。なぜなら、多くのロボット工程は「同じ動作を何度も繰り返す」ことが前提だからです。


たとえば、

・同じ場所から部品を取る

・同じ治具へ部品を置く

・同じ位置へ塗布する

・同じ位置で検査する


といった用途では、絶対座標の完全一致よりも、毎回同じ位置に安定して戻れることが重要になる場合があります。



■協働ロボットとの関係


協働ロボットでも、繰り返し位置決め精度は重要な仕様です。


協働ロボットは人との共存や使いやすさが注目されやすいですが、

実際の現場では、


・把持位置の安定性

・組立位置の再現性

・検査位置の再現性

・カメラ補正後の位置再現

などで、この性能が大きく関わります。


ただし、協働ロボットは安全性や柔軟性を重視するため、用途によっては大型高速ロボットと異なるバランスで選定する必要があります。



■実務で重要なポイント


繰り返し位置決め精度を正しく理解、評価するには、次の点が重要です。


1. カタログ値だけで判断しない

最も重要なのは、カタログ値が実際の工程条件そのままではないことを理解することです。負荷、姿勢、速度、設置条件で結果は変わります。


2. ワーク条件込みで考える

ハンドやワークの重量、重心位置によって停止再現性は変化するため、完成状態で考える必要があります。


3. 絶対精度と混同しない

繰り返し位置決め精度が高くても、絶対位置がずれていることはあります。必要に応じてキャリブレーションや補正が必要です。


4. 治具設計とセットで考える

多少のばらつきがあっても受けられるように、逃げやガイドを持たせた治具設計が有効です。


5. 実機評価を行う

特に高精度工程では、実ワーク、実ハンド、実タクト条件で確認することが重要です。


6. 温度や連続稼働の影響を見る

単発試験だけでなく、長時間運転後も安定しているか確認すると安心です。



■よくある課題


繰り返し位置決め精度の検討では、次のような課題が起こりやすいです。


・絶対位置精度と混同する

・カタログ値だけで選定する

・負荷条件を考慮していない

・速度変更時の影響を見ていない

・治具側の受けを考慮していない

・設置剛性不足を見落とす

・温度変化や長時間運転を評価していない

・実機での確認を省略する


このため、繰り返し位置決め精度は単なる数値仕様ではなく、工程成立性と品質安定性を左右する実用性能として考える必要があります。



■自動化との相性


繰り返し位置決め精度は、自動化設備との相性が良いというより、自動化を成立させるための中核性能です。これが不足すると、どれだけ動作しても品質が安定せず、不良や停止が増える原因になります。


主なメリットは次の通りです。


・品質ばらつきを抑えやすい

・自動組立を安定化しやすい

・検査位置を一定にしやすい

・工程能力を確保しやすい

・治具設計と連携しやすい

・量産での再現性向上につながりやすい


■まとめ


繰り返し位置決め精度とは、ロボットや装置が同じ指令位置へ何度も移動したとき、どれだけ同じ位置へ安定して戻れるかを示す基本性能です。絶対位置精度とは異なり、再現性を表す指標であり、自動組立、搬送、検査、塗布などの量産工程で特に重要です。


実務では、カタログ値だけでなく、負荷条件、速度、設置剛性、温度変化、実ワーク条件を含めて確認することが重要です。適切に見極めることができれば、品質安定、工程成立、安定した自動化につなげることができます。

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