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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

Press-to-Press Transfer / Press Transfer Automation / Inter-Press Transfer

プレス間搬送

プレス間搬送とは、プレス機で加工されたワークを、前工程のプレス機から次工程のプレス機へ自動で受け渡す搬送工程のことです。主に板金加工、順送ではない単発プレス工程、トランスファープレス工程、部品成形ラインなどで使われ、ロボット、トランスファー装置、直交搬送機、専用ハンドリング装置によって自動化されます。


単なる部品移動に見えますが、実務では、搬送タイミング、ワーク姿勢、位置精度、金型との干渉、プレス機同士の同期、安全性まで含めて成立させる必要があります。そのため、プレス間搬送はプレスライン全体の生産性と安定性を左右する重要工程です。


■プレス間搬送の役割


プレス間搬送の主な役割は、1工程ごとに加工されたワークを、正しい向きと位置で次工程へ受け渡すことです。たとえば、抜き加工後のワークを曲げ工程へ送る、成形後のワークを次の絞り工程へ移す、といった流れで使われます。

この工程が不安定だと、次のような問題が起こります。


・ワーク位置ズレによる加工不良

・金型への噛み込み

・搬送停止によるライン停止

・ワーク落下や傷発生

・プレスサイクルの乱れ


◆そのため、プレス間搬送は単なる中継ではなく、工程間の品質をつなぐ機能を持っています。


■なぜ重要なのか


プレス加工ラインでは、各工程の加工時間が短く、繰り返しサイクルも速いことが多いため、人手での搬送では追いつかない場合があります。また、人手搬送では位置ばらつきや安全リスクも大きくなります。


プレス間搬送を自動化することで、次のような効果が期待できます。


・高速な連続生産への対応

・ワーク供給位置の安定化

・作業者の危険作業削減

・多工程ラインの自動化

・品質ばらつき低減

・稼働率向上


◆特に、複数プレス機を連結したラインでは、搬送精度と同期性が生産能力そのものに直結します。


■主な搬送方式

プレス間搬送には、いくつかの代表的な方式があります。


1. 専用トランスファー装置

プレス間専用の搬送機構で、一定サイクルでワークを送ります。高速性と繰り返し性に優れ、大量生産ラインに向いています。


2. ロボット搬送

多関節ロボットや直交ロボットで、ワークをつかんで次工程へ移します。姿勢変更や多品種対応に強く、柔軟性があります。


3. プレス内蔵トランスファー

トランスファープレスのように、機械内でワークを順次送る方式です。高速連続生産に適しています。


4. コンベヤ・中間テーブル併用

工程間に一時受け渡し位置を設け、整列や反転を含めて搬送する方式です。複雑な姿勢変換が必要な場合に使われます。


■実務で重要なポイント

プレス間搬送を安定運用するには、次の点が特に重要です。


1. 搬送タイミングの同期

前工程の取り出しタイミングと、次工程の投入タイミングが正確に合っている必要があります。同期がずれると、取り損ね、投入ミス、金型干渉の原因になります。


2. ワーク位置と姿勢の管理

プレス工程ごとにワークの向きや表裏が変わることがあります。次工程が求める姿勢で搬送しなければ、加工不良やセット不良につながります。


3. ハンド設計

ワークの形状、板厚、反り、油付着状態に応じて、真空吸着、クランプ、マグネット、専用フィンガーなどを選定する必要があります。薄板ではたわみや吸着漏れへの配慮も重要です。


4. 金型との干渉回避

プレス機内はスペースが限られており、金型、ガイドポスト、ノックアウト、ワークストッパーなどとの干渉確認が不可欠です。特に高速搬送では、わずかなクリアランス不足が停止要因になります。


5. ワーク変形対策

成形途中のワークは、まだ剛性が低く、持ち方によって反りや変形が生じることがあります。搬送中の支持点や把持位置を適切に設計することが必要です。


■よくある課題

プレス間搬送では、次のような課題が起こりやすいです。


・薄板ワークがたわんで安定搬送できない

・油で吸着が不安定になる

・プレス機のタイミング差で同期が乱れる

・ワーク反転や向き替えが必要で複雑になる

・位置ズレで次工程の金型に正しく入らない

・ワーク形状変化で同じハンドが使いにくい

・高速化すると振れや落下が増える

・異常停止時のワーク残留処理が難しい


◆このため、搬送装置だけでなく、ワーク形状、加工順序、金型仕様、プレスサイクルを一体で考えることが重要です。


■ロボット活用のメリット

近年は、プレス間搬送にロボットを使うケースも増えています。ロボット化には次のようなメリットがあります。


・多品種対応しやすい

・ワークの姿勢変更や反転に対応しやすい

・既設プレスラインへ後付けしやすい

・工程変更時に柔軟に対応しやすい

・周辺設備との連携がしやすい


◆一方で、高速大量生産では専用トランスファー機構のほうが有利な場合もあります。必要サイクル、ワーク形状、将来の品種変更を見て方式選定することが重要です。


■実務でのチェックポイント


・ワークのサイズ、板厚、重量、反りを把握しているか

・搬送タイミングを各プレス機と同期できるか

・次工程が求める位置と姿勢で受け渡せるか

・ハンド方式がワークと油付着条件に適しているか

・金型や機内構造との干渉確認ができているか

・高速運転時でも落下や振れが起きにくいか

・異常停止時のワーク残留処理を考慮しているか

・多品種対応や段取り替え方法を設計しているか


■関連用語


・トランスファープレス

・ワーク搬送

・マシンテンディング

・真空グリッパー

・直交搬送機

・プレスライン自動化

・金型

・工程間搬送


■まとめ


プレス間搬送とは、プレス機で加工されたワークを次工程のプレス機へ正確に受け渡す搬送工程です。高速連続生産、安全性向上、品質安定化のために欠かせない重要技術であり、プレスライン自動化の中心的な要素でもあります。


実務では、搬送タイミング、ワーク姿勢、ハンド設計、金型干渉、ワーク変形、異常時対応まで含めて設計することが重要です。安定したプレス間搬送を実現できれば、生産性向上だけでなく、加工品質と設備稼働率の大幅な改善につながります。

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