
Operating Hours / Hour Meter / Runtime Meter
稼働時間(アワーメーター)
稼働時間(アワーメーター)とは、設備、機械、モーター、コンプレッサ、ポンプ、ロボットなどが実際に動いていた時間を積算して表示、記録するための指標または計器のことです。
一般的なカレンダー日数とは異なり、稼働時間 は「その設備がどれだけ使われたか」を直接示します。設備保全では、消耗部品の交換時期や点検周期を、月日ではなく稼働時間で管理することが多くあります。そのため、アワーメーターは設備の使用実績を可視化する重要な管理指標です。
※つまり稼働時間(アワーメーター)とは、設備がどれだけ動いたかを時間で把握し、保全や運用管理に活かすための計測指標です。
製造設備、建設機械、発電機、空圧機器、搬送装置などで広く使われています。
■稼働時間の役割
稼働時間の主な役割は、設備の使用量を定量的に把握し、保全や部品交換の判断基準にすることです。
主に次のような目的で使われます。
・定期交換時期の判断
・定期点検周期の設定
・設備使用量の把握
・保全履歴の管理
・設備負荷の比較
・予防保全の基準化
・稼働実績の見える化
・故障傾向分析の基礎データ化
◆つまり、稼働時間は設備管理の基準となる基本データです。
■なぜ重要なのか
設備部品の劣化は、単純な経過日数よりも「どれだけ使ったか」によって左右されることが多くあります。たとえば、毎日少しだけ使う設備と、24時間連続で使う設備では、同じ1か月でも劣化の進み方はまったく異なります。
稼働時間を管理することで、より実態に合った保全計画を立てやすくなります。
稼働時間が重要な理由は次の通りです。
・使用量に応じた保全がしやすいため
・部品交換時期を適正化しやすいため
・過剰保全や保全不足を防ぎやすいため
・設備ごとの負荷差を把握しやすいため
・故障と使用実績の関係を見やすいため
・予防保全や予兆保全の基礎データになるため
◆特に、連続稼働設備や重要設備では非常に重要です。
■主な使い方
稼働時間は、次のような場面で使われます。
・ベアリング交換周期の基準
・フィルタ交換時期の判断
・コンプレッサやポンプの保全基準
・ロボットの定期点検時期管理
・工作機械や搬送装置の使用実績管理
・レンタル機器や共用設備の使用管理
・設備投資更新判断の参考データ
◆つまり、設備をどれだけ使ったかを基準に何かを決めたい場面で使われます。
■アワーメーターとは
アワーメーターとは、稼働時間を表示するための計器そのものを指すことが多いです。機械の電源ON時間、モーター駆動時間、主運転時間など、設定された条件に応じて時間を積算します。
たとえば、
・主電源投入中だけ積算
・モーターが回っているときだけ積算
・自動運転中だけ積算
など、何を「稼働」とみなすかで意味が変わります。
◆このため、アワーメーターの値を見るときは、何を積算しているかを理解しておくことが重要です。
■主な種類
稼働時間の管理方法にはいくつかの代表的な形があります。
1. 単体アワーメーター
設備に直接付いた表示計です。シンプルで、現場で目視確認しやすいのが特長です。
2. PLCやHMI内での積算
PLCやタッチパネル上で稼働時間を積算、表示する方法です。条件を柔軟に設定しやすいです。
3. 監視システムでの記録
ネットワークや上位システムと連携し、設備ごとの稼働時間を自動収集する方法です。複数設備管理に向いています。
4. 部位別積算
設備全体ではなく、モーター単位、ポンプ単位、ロボット軸単位などで個別に稼働時間を管理する方法です。
■実務で重要なポイント
稼働時間を正しく活用するには、次の点が重要です。
1. 何を稼働とするかを明確にする
最も重要なのは、「電源ON時間」なのか「運転時間」なのか「加工時間」なのかを明確にすることです。ここが曖昧だと、時間データの意味がずれてしまいます。
2. 保全基準と結び付ける
アワーメーターを付けるだけでは意味が薄く、たとえば「1000時間でフィルタ交換」「5000時間で点検」など、実際の保全ルールと結び付けることが重要です。
3. 記録の継続性
月ごとの記録や交換履歴と合わせて残すことで、故障傾向や設備負荷の違いが見やすくなります。
4. 複数設備比較
同じ種類の設備でも、稼働時間に大きな差があると故障頻度も変わることがあります。比較管理が重要です。
5. リセット管理
交換や修理で部分的にリセットしたのか、設備全体の総稼働時間なのかを明確にしておかないと、履歴が混乱しやすくなります。
6. 停止中との区別
電源が入っていても動いていない時間がある場合、それを含むのか含まないのかで保全判断が変わります。設備実態に合った定義が必要です。
■よくある課題
稼働時間管理では、次のような課題が起こりやすいです。
・何を積算しているか不明確
・保全基準と連動していない
・記録しても活用していない
・交換後の履歴管理が曖昧
・設備ごとに定義が違って比較しにくい
・電源ON時間だけを見て実態を見誤る
・現場で確認できても上位管理に反映されない
・複数部位の個別稼働時間が取れていない
◆このため、稼働時間は単なる数字ではなく、保全や設備管理に活かせる形で定義、記録、運用することが重要です。
■カレンダー管理との違い
カレンダー管理は、「半年ごと」「1年ごと」といった日付ベースの管理です。一方、稼働時間管理は、実際に動いた時間ベースの管理です。
つまり、
・カレンダー管理=経過日数基準
・稼働時間管理=使用実績基準という違いがあります。
設備によっては両方を組み合わせることが有効です。
■予防保全との関係
稼働時間は、予防保全の基礎データとして非常に重要です。たとえば、・2000時間でフィルタ交換・5000時間でベアリング点検のように、時間を基準に保全計画を立てることができます。
◆つまり、稼働時間は予防保全を実態に合わせて運用するための判断材料です。
■自動化との相性
稼働時間管理は、自動化設備との相性が非常に良い管理方法です。自動化設備は運転実績をデータで取りやすく、保全計画にも反映しやすいためです。
主なメリットは次の通りです。
・保全時期を適正化しやすい
・過剰交換を減らしやすい
・設備ごとの使用量差を見やすい
・無人運転設備の負荷把握に役立つ
・予防保全の精度を高めやすい
・故障分析と組み合わせやすい
◆一方で、積算条件が曖昧だと誤った判断につながるため、定義管理が重要です。
■実務でのチェックポイント
・何の時間を積算しているか明確か
・保全基準と連動しているか
・交換履歴と一緒に管理しているか
・設備ごとに定義を統一しているか
・電源ON時間と実運転時間を区別しているか
・現場だけでなく管理データとして残しているか
・重要部位ごとの個別管理が必要か
・予防保全計画へ反映しているか
■関連用語
・定期点検
・日常点検
・予防保全(PM)
・予兆保全(予知保全)
・事後保全(BM)
・無停電電源装置(UPS)
・エアコンプレッサ
・ロボット稼働率
■まとめ
稼働時間(アワーメーター)とは、設備や機械が実際にどれだけ動いたかを積算するための指標または計器です。設備の使用実績を可視化し、点検や部品交換のタイミングを実態に合わせて管理するために重要な役割を持ちます。
実務では、何を積算するのかを明確にし、保全基準や交換履歴と連動させて運用することが重要です。適切な稼働時間管理ができれば、予防保全の精度、設備寿命、保全コスト管理を大きく向上させることができます。
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