
Modbus TCP (Modbus Transmission Control Protocol)
Modbus TCP
1. Modbus TCPとは?【基礎知識】
Modbus TCP(モドバス ティーシーピー)とは、産業用通信プロトコル「Modbus」をEthernet上で利用できるようにした通信方式です。
もともと1979年にModicon社(現Schneider Electric)が開発したModbusは、シンプルで汎用性が高いことから、現在も世界中の工場・プラント設備で利用されています。
そのEthernet版がModbus TCPです。
PLC、温度調節計、電力量計、インバータ、センサ、ロボット周辺機器など、幅広い機器で採用されています。
2. Modbus TCPの仕組み
Modbus TCPは以下の構成で動作します。
物理層:Ethernet(100Mbps / 1Gbps)
通信層:TCP/IP
ポート番号:502番
■ クライアント・サーバ方式
クライアント(マスタ)が要求送信
サーバ(スレーブ)が応答
シンプルな要求応答型通信です。
3. Modbus RTUとの違い
項目 | Modbus TCP | Modbus RTU |
通信媒体 | Ethernet | RS-485 |
通信速度 | 高速 | 比較的低速 |
配線 | LANケーブル | シリアル配線 |
接続距離 | ネットワーク依存 | 約1200m |
既存設備ではRTU、新規設備ではTCPが採用されるケースが増えています。
4. Modbus TCPの特徴
① 非常にシンプル
データはレジスタ単位で管理され、構造がわかりやすい。
② オープン規格
特許不要で多くのメーカーが採用。
③ 導入コストが低い
専用ハードウェアが不要なケースが多い。
④ ITネットワークと統合しやすい
標準TCP/IPを使用。
5. Modbus TCPのメリット
導 入が容易
機器間接続が簡単
古い設備とも互換性あり
小規模システムに最適
SCADAや上位監視システムと連携しやすい
6. Modbus TCPのデメリット
リアルタイム性は限定的
同期制御には不向き
安全通信規格は標準では非対応
大規模高速制御には不向き
サーボ同期やロボット高精度制御では、EtherCATやPROFINETが選定されることが多いです。
7. 主な用途
電力量モニタリング
温度監視システム
プラント設備
インバータ制御
簡易自動化ライン
IoTデータ収集
8. 他の産業用イーサネットとの比較
項目 | Modbus TCP | EtherNet/IP | PROFINET |
リアルタイム性 | △ | ○ | ◎ |
導入容易性 | ◎ | ○ | ○ |
高速同期制御 | × | △ | ◎ |
普及度 | 非常に高い | 北米中心 | 欧州中心 |
まとめ
Modbus TCPは、
シンプルで汎用性が高く、低コストで導入できる産業用通信規格です。
高精度同期制御向きではありませんが、監視系・エネルギー管理・小規模設備には非常に適しています。
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