
Light Curtain / Safety Light Curtain / Photoelectric Safety Curtain
ライトカーテン(安全光幕)
ライトカーテン(安全光幕)とは、投光器と受光器の間に多数の赤外線ビームを並べて張り巡らせ、人や物がその光を遮ったことを検知し、機械を安全に停止または制御するための安全機器のことです。プレス機、組立機、搬送装置、ロボットセル、包装機、検査装置など、作業者が危険エリアへ手や身体を入れる可能性がある設備で広く使われています。
物理的な安全柵のように人の侵入を完全に遮るのではなく、光の幕を形成して侵入を検知し、危険動作を止めるのが特長です。そのため、ワークの出し入れが頻繁な工程や、扉の開閉では作業性が落ちる現場で特に有効です。
つまりライトカーテンとは、光のバリアで侵入を検知し、機械の危険動作から人を守るための代表的な安全センサです。
■ライトカーテンの役割
ライトカーテンの主な役割は、人が危険領域へ手や身体を入れたときにそれを検知し、設備を安全状態へ移行させることです。
主に次のような目的で使われます。
・危険エリアへの侵入検知
・機械の非常停止または安全停止
・作業者保護
・扉を使わない安全インターロック
・ワーク投入、取り出し時の安全確保
・自動運転と手作業エリアの切り分け
・安全柵では不便な工程の安全化
◆つまり、ライトカーテンは作業性を保ちながら安全を確保するための光学式安全装置です。
■なぜ重要なのか
自動機やロボット設備では、人が誤って危険エリアへ入ると、挟まれ、巻き込まれ、打撃などの重大災害につながることがあります。完全に安全柵で囲えばリスクは下がりますが、頻繁なワーク出し入れや段取り替えがある現場では作業効率が大きく落ちることがあります。
ライトカーテンが重要な理由は次の通りです。
・人の侵入を即座に検知できるため
・安全柵より作業性を確保しやすいため
・危険エリアと作業エリアを柔軟に分けやすいため
・機械安全対策の基本要素として使いやすいため
・自動機の安全設計を実現しやすいため
・労働災害リスク低減に直結するため
◆特に、人が設備へ近づいて材料投入や取り出しを行う工程では、非常に重要な安全機器です。
■基本構造
ライトカーテンは、一般的に次の要素で構成されます。
1. 投光器
赤外線ビームを一定間隔で照射する側です。多数の光軸を持ちます。
2. 受光器
投光器からの光を受ける側です。どの光軸が遮られたかを判定します。
3. 制御ユニット
遮光状態を監視し、安全出力を機械側へ伝える部分です。近年は本体一体型も多くあります。
4. 安全出力回路
安全リレーや安全PLCへ接続し、危険動作停止やインターロックを行います。
5. 取付ブラケット
投光器と受光器を正確に向かい合わせるため の固定部品です。
■主な種類
ライトカーテンにはいくつかの代表的な種類があります。
1. 指検出用
ビームピッチが細かく、指の侵入まで検知できるタイプです。小型機械や危険点が近い設備で使われます。
2. 手検出用
手の侵入を検知するタイプです。プレスや組立機などで広く使われます。
3. 身体検出用
ビーム間隔が広く、人の身体侵入を検知するタイプです。エリア保護や入口監視で使われます。
4. マルチビーム型
数本のビームで人の通過や侵入を検知する簡易エリア保護向けタイプです。
5. ミューティング対応型
搬送物は通過させつつ、人の侵入は検知するように制御できるタイプです。物流や搬送ラインで使われます。
■主な用途
ライトカーテンは、次のような用途で使われます。
・プレス機前面の手入れ防止
・組立機へのワーク投入部
・ロボットセル出入口
・搬送ラインの安全入口
・パレタイジング設備周辺
・自動包装機の開口部
・検査装置の作業開口部
・危険エリアへのアクセス監視
◆つまり、人が近づく必要はあるが、危険動作も存在する場所に特に適しています。
■実務で重要なポイント
ライトカーテンを適切に使うには、次の点が重要です。
1. 安全距離
最も重要なのは、ライトカーテンをどれだけ危険点から離して設置するかです。検知してから機械が完全停止するまでに人が到達しない距離を確保する必要があります。これは安全距離設計の基本です。
2. 分解能
何を検知したいかによって、必要 なビームピッチが変わります。指を守りたいのか、手を守りたいのか、身体侵入だけでよいのかを明確にする必要があります。
3. 停止カテゴリとの整合
ライトカーテンが遮光されたとき、設備をどう止めるかが重要です。単純停止なのか、安全停止1(SS1)のような制御停止なのか、設備の危険性に応じて決める必要があります。
4. 不正通過防止
下をくぐる、上をまたぐ、横から回り込むといった回避行動ができないように、設置高さや補助ガードを考慮する必要があります。
5. 光軸の安定性
投光器と受光器の芯ずれ、振動、汚れ、粉じんで誤検知や未検知が起こる可能性が あります。取付剛性とメンテナンスが重要です。
6. 周辺環境
油ミスト、粉じん、水滴、強い外乱光がある環境では、誤動作や感度低下の原因になります。環境に合った機種選定が必要です。
■よくある課題
ライトカーテンでは、次のような課題が起こりやすいです。
・安全距離が不足している
・指保護なのに手保護用を使っている
・機械 停止時間が長く、実際は危険点へ届いてしまう
・汚れで誤停止する
・取付ズレで不安定になる
・下くぐりや回り込みができてしまう
・搬送物まで検知して頻繁に止まる
・安全出力の接続方法が不適切で本来の安全性能が出ない
◆このため、ライトカーテンは単なるセンサではなく、停止性能、安全距離、回避防止を含めた機械安全システムの一部として設計する必要があります。
■安全柵との違い
安全柵は、物理的に人の侵入を防ぐ方法です。一方、ライトカーテンは、侵入そのものは可能だが、侵入を検知して危険動作を止める方法です。
つまり、
・安全柵=物理的に入れない
・ライトカーテン=入ったら止める
という違いがあります。
◆作業頻度が低い場所では安全柵、頻繁な出し入れがある場所ではライトカーテンが有利な場合があります。
■レーザスキャナとの違い
レ ーザスキャナは、平面エリアを広く監視する安全機器です。一方、ライトカーテンは、直線状の光幕で開口部や境界ラインを保護する機器です。
つまり、
・ライトカーテン=開口部や侵入ラインの保護向き
・セーフティレーザスキャナ=エリア監視向き
という違いがあります。
■自動化との相性
ライトカーテンは、自動化設備との相性が非常に良い安全機器です。特に、ワーク投入や取り出しが頻繁な設備では、安全柵だけでは作業性が悪くなるため、ライトカーテンの導入効果が大きくなります。
主なメリットは次の通りです。
・作業性を保ちながら安全化しやすい
・開口部の安全対策に向いている
・設備の自動運転と手作業を両立しやすい
・安全PLCや安全リレーと連携しやすい
・比較的コンパクトに設置しやすい
・人協働に近い運用をしやすい
◆一方で、回避防止や停止時間設計まで行わないと、安全機器を付けても十分な安全性は得られません。
■実務でのチェックポイント
・何を検知対象にするか明確か
・危険点からの安全距離を確保しているか
・設備停止時間を正しく把握しているか
・分解能が用途に合っているか
・下くぐり、またぎ越え、回り込みを防げるか
・油ミストや粉じん環境に対応できるか
・安全PLCや安全リレーとの接続が適切か
・定期点検、清掃、光軸確認を行えるか
■関連用語
・安全柵
・非常停止ボタン
・セーフティゾーン
・安全距離
・安全リレー
・安全PLC
・セーフティレーザスキャナ
・ISO 13855
■まとめ
ライトカーテン(安全光幕)とは、投光器と受光器の間に形成した光の幕を使って、人の侵入を検知し、設備を安全に停止させる安全機器です。自動機やロボット設備の開口部保護で広く使われ、作業性と安全性を両立しやすいのが大きな特長です。
実務では、分解能、安全距離、停止時間、回避防止、環境条件まで含めて設計することが重要です。適切なライトカーテンを採用できれば、現場の安全レベルと作業効率の両方を高めることができます。
お見積り・ご相談は今すぐ!
24時間365日受付




