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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

IP67-Rated Robot

ロボットIP67

ロボットIP67とは、産業用ロボットや協働ロボットが IP67 の保護等級 を持っていることを示す表現です。これは、ロボット本体が高い防塵性能防水性能を備えていることを意味し、粉じんが多い環境や、水の飛散、洗浄、水没リスクがある環境で重要な指標になります。


IP等級は、機器の外郭がどの程度、異物や水の侵入を防げるかを表す規格です。IP67 の場合、

・最初の「6」=防塵性能・後ろの「7」=防水性能

を示します。

このうち「6」は、粉じんの侵入をほぼ完全に防ぐ耐塵形を意味します。「7」は、一定条件で一時的な浸水に耐えられることを意味します。

つまり、ロボットIP67とは、粉じんに非常に強く、一定条件下での一時的な水没や浸水にも対応できるロボットということです。


ただし、IP67だからといって、どんな洗浄条件や液体環境でも問題ないわけではありません。高圧洗浄、温水洗浄、薬液、切削液の長時間付着、常時水没などは別途確認が必要です。


■ロボットIP67の役割


ロボットIP67の主な役割は、粉じんや水の侵入からロボット内部の機械部や電装部を保護し、厳しい環境でも安定して使えるようにすることです。


主に次のような目的で重要になります。


・粉じん侵入の防止

・水の侵入防止

・一時的な浸水への対応

・内部電装や関節部の保護

・故障リスク低減

・洗浄性を考えた設備対応

・設備寿命の延長・過酷環境での安定稼働


つまり、

◆IP67はロボットを厳しい粉じん、水環境から守るための高い保護性能の目安です。



■なぜ重要なのか


工場では、ロボットがクリーンな環境だけで使われるとは限りません。たとえば、


・洗浄水が多くかかる

・水しぶきが強い

・粉体や微粒子が多い

・屋外や半屋外で結露や雨の影響がある

・洗浄や湿式工程の近くで使う

・一時的に水たまりや浸水リスクがある


といった状況があります。


こうした現場で防塵防水性能が不足していると、


・関節部へ粉じんが侵入する

・内部へ水分が入り接触不良が起きる

・腐食や絶縁低下が進む

・エンコーダやコネクタ異常が出る

・停止や寿命低下につながる


といった問題が起こります。


そのため、

◆ロボットIP67は単なるスペック表示ではなく、使用環境に対して十分な保護性能を持つかを判断する

 重要な指標です。



■IP67の意味


IP67を具体的に分けると、次のようになります。


1. IPの意味

IP は Ingress Protection の略で、異物や水の侵入に対する保護等級を表します。


2. 「6」の意味

防塵等級 6 は、耐塵形です。粉じんが内部へ侵入して機能に悪影響を与えないレベルを意味します。


3. 「7」の意味

防水等級 7 は、一定の条件で一時的に水中へ沈んでも有害な影響を受けないことを意味します。


つまり IP67 は、

高い防塵性と、一時浸水に耐える防水性を持つ等級と整理できます。



■IP65やIP69との違い


IP67は他の等級と比較されることが多いため、違いを整理すると分かりやすいです。


IP65

粉じんに強く、あらゆる方向からの噴流水に耐える等級です。一般工場の水しぶき環境で使いやすいです。


IP67

粉じんに強く、さらに一定条件の一時浸水に耐える等級です。


IP69やIP69K

高圧、高温洗浄など、より厳しい洗浄条件に対応するための高い保護等級です。


つまり、・IP65=高い防塵性+噴流水対応・IP67=高い防塵性+一時浸水対応・IP69系=さらに厳しい洗浄対応という違いがあります。


ここで重要なのは、IP67がIP65の完全上位互換とは限らないことです。


◆IP67は浸水条件に強い一方、噴流水や高圧洗浄条件は別に確認が必要です。



■主に使われる環境


ロボットIP67が求められやすいのは、次のような環境です。


1. 洗浄工程周辺

水がかかるだけでなく、一時的に水がたまりやすい環境です。


2. 食品、医薬品設備の一部

湿式清掃や水洗いが発生する装置周辺で有効です。


3. 屋外や半屋外設備

雨、結露、湿気、水たまりのリスクがある環境です。


4. 粉体+水分環境

粉じんと水分の両方が存在する条件では高い保護性能が有利です。


5. 湿式加工や洗浄近傍

水分や液体飛散が多い場所で重要になります。


つまりIP67は、

水しぶきだけでなく、一時的な浸水リスクまで考慮したい環境向けの保護等級と考えると分かりやすいです。



■注意点


IP67のロボットを使うときは、次の点に注意が必要です。


1. 高圧洗浄対応とは限らない

IP67は浸水対応ですが、高圧噴射や高温洗浄にそのまま対応するとは限りません。


2. 常時水没用ではない

IP67は一時的な浸水条件を前提とするため、長時間の水没や連続水中使用とは別です。


3. 本体以外も確認が必要

本体がIP67でも、ハンド、センサ、コネクタ、制御盤が弱ければ設備全体では不十分です。


4. 油や薬品は別評価が必要

防水等級が高くても、洗剤、溶剤、切削液、薬液への耐性は別確認が必要です。


5. シール劣化は起こる

長期使用でシールやケーブル被覆が劣化すれば、初期性能を維持できなくなる可能性があります。



■実務で重要なポイント


ロボットIP67を正しく選定、運用するには、次の点が重要です。


1. IP67の意味を正しく理解する

最も重要なのは、IP67が「浸水に強い」ことを示す一方で、高圧洗浄や薬液まで自動的に保証するものではないと理解することです。


2. 実際の液体条件を確認する

水なのか、温水なのか、洗剤なのか、油混じりかによって必要条件は変わります。


3. 周辺機器も同レベルで考える

ハンド、センサ、ケーブル、コネクタ、制御盤まで含めて設備全体で環境対応を考える必要があります。


4. 洗浄方法を明確にする

ホース洗浄、泡洗浄、高圧洗浄、蒸気洗浄では要求性能が異なります。


5. 定期点検を行う

シール劣化、被覆破れ、コネクタ緩み、腐食兆候を定期的に確認する必要があります。


6. 必要なら追加保護を検討する

厳しい環境では、保護カバー、ジャケット、エアパージなどを併用することがあります。



■よくある課題


ロボットIP67の運用では、次のような課題が起こりやすいです。


・IP67なら高圧洗浄も大丈夫と考えてしまう

・常時水没条件と混同する

・本体以外の保護性能を見ていない

・油や薬液の影響を軽視する

・シール劣化を見逃す

・コネクタやケーブルの弱点を見落とす

・保護カバーの必要性を検討していない

・IP65との違いを誤解する


このため、

◆ロボットIP67は便利な指標ですが、実環境に当てはめて浸水条件、洗浄条件、周辺機器条件まで

 具体的に確認することが重要です。



■自動化との相性


ロボットIP67は、自動化設備との相性が良いというより、水分や粉じんのある厳しい環境で自動化を成立させるための重要条件です。環境条件に合わないロボットを使うと、停止や故障が増え、自動化効果が出にくくなります。


主なメリットは次の通りです。


・粉じん環境でも安定稼働しやすい

・一時的な浸水リスクに対応しやすい

・故障リスクを減らしやすい

・湿式工程や洗浄環境に対応しやすい

・保守頻度を下げやすい

・設備全体の信頼性向上につながりやすい



■まとめ


ロボットIP67とは、粉じんの侵入を防ぎ、一定条件での一時的な浸水に耐えられる保護等級を持つロボットを指します。防塵防水性能としては高いレベルですが、高圧洗浄、薬液、常時水没などは別途確認が必要です。また、IP67は浸水に強いことを示す一方、噴流水条件はIP65や別等級と合わせて考える必要があります。


実務では、ロボット本体だけでなく、ハンド、センサ、制御盤、ケーブルまで含めて設備全体で環境対応を考えることが重要です。適切に選定、運用できれば、水分や粉じんのある現場でも安定した自動化を進めやすくなります。

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