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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

Horizontal Articulated Robot

水平多関節ロボット

水平多関節ロボットとは、主に水平方向の多関節動作を得意とするロボットのことです。一般的には SCARAロボット を指すことが多く、電子部品、機械部品、樹脂部品などの搬送、位置決め、組立工程で広く使われています。


「水平多関節」という呼び方は、複数の回転関節を持ちながら、主な動作領域が水平面にあることから使われます。典型的な構造は、2本の回転アームで平面内を動き、さらに上下動作のZ軸と先端回転軸を加えた4軸構成です。これにより、平面内では素早く柔軟に動き、上下方向では部品の取り上げや挿入がしやすくなります。


また、水平方向には比較的しなやかに動きやすく、垂直方向には比較的高い剛性を持たせやすいという特徴があります。このため、上から部品を取って、決められた位置へ高速で正確に置くような工程と相性が良いです。


つまり水平多関節ロボットとは、平面内の高速搬送や位置決め、簡易組立に強いロボット形式です。



■水平多関節ロボットの役割


水平多関節ロボットの主な役割は、比較的軽量なワークを高速かつ高い繰り返し性で搬送、位置決め、組立することです。


主に次のような目的で使われます。


・部品搬送

・ピック&プレース

・簡易組立

・挿入作業

・ねじ締め前の位置決め

・検査位置への移動

・トレー間移載

・整列、仕分け作業


つまり、

◆水平多関節ロボットは小型部品を素早く正確に扱う量産工程向けロボットです。



■なぜ重要なのか


製造現場では、複雑な姿勢制御が必要な工程ばかりではありません。多くの工程では、上から取って上から置く、平面内を素早く移動する、同じ位置へ繰り返し正確に戻ることのほうが重要です。水平多関節ロボットは、そうした工程に対して非常に高い生産性を発揮しやすいロボットです。


水平多関節ロボットが重要な理由は次の通りです。


・高速動作に向いているため

・繰り返し位置決めに強いため

・コンパクトで設置しやすいため

・小型部品の搬送や組立と相性が良いため

・比較的シンプルな構造で扱いやすいため

・タクト短縮に貢献しやすいため


つまり、

◆水平多関節ロボットは平面中心の高速自動化を進めるうえで非常に重要なロボットです。



■水平多関節ロボットの基本構造


水平多関節ロボットは、一般的に次のような軸構成を持ちます。


1. 第1軸

ベース側の回転軸で、アーム全体を水平面内で動かします。


2. 第2軸

第1アームの先にある回転軸で、先端位置をさらに水平面内で調整します。


3. Z軸

上下方向の直線移動軸で、ワークの取り上げや挿入に使います。


4. 回転軸

先端工具の向きを回転させる軸で、ワーク角度合わせなどに使います。


◆この4軸構成により、「平面移動+上下+先端回転」という作業を効率よく行えます。



■スカラロボットとの関係


実務では、水平多関節ロボットという言葉はスカラロボットとほぼ同じ意味で使われることが多いです。


つまり、

・水平多関節ロボット=構造や分類を表す呼び方

・スカラロボット=代表的な形式名という関係です。


そのため、現場では「水平多関節ロボットを導入する」と言った場合、実際にはスカラロボットを指していることが多いです。



■垂直多関節ロボットとの違い


水平多関節ロボットと垂直多関節ロボットは、どちらも多関節構造を持ちますが、得意分野が異なります。


水平多関節ロボット

平面内の高速搬送や上からの挿入、簡易組立に向いています。


垂直多関節ロボット

姿勢自由度が高く、回り込みや複雑な角度調整が必要な工程に向いています。


つまり、

・水平多関節ロボット=高速、平面作業、簡易組立向き

・垂直多関節ロボット=多用途、複雑姿勢、回り込み向きという違いがあります。



■直交ロボットとの違い


直交ロボットは、X・Y・Zの直線移動を中心とした構造です。一方、水平多関節ロボットは、回転アームを使って平面内を動きます。


つまり、

・直交ロボット=直線移動中心

・水平多関節ロボット=回転アームによる平面高速動作という違いがあります。


◆工程によっては、水平多関節ロボットのほうが高速で省スペースにまとまる場合があります。



■主な用途


水平多関節ロボットは、次のような用途で活用されます。

・電子部品搬送

・小型部品組立

・基板関連作業

・コネクタ挿入

・トレー間移載

・検査装置への供給

・箱詰め、整列作業

・ねじ締め前の位置決め


つまり、

軽量ワークを高速で繰り返し扱う工程と非常に相性が良いです。



■水平多関節ロボットのメリット


水平多関節ロボットには、一般的に次のようなメリットがあります。


1. 高速性が高い

水平面内の往復動作を非常に速く行いやすいです。


2. 繰り返し位置決めに強い

同じ位置への搬送や組立を安定して繰り返しやすいです。


3. コンパクト

比較的小型で、限られたスペースにも設置しやすいです。


4. 上下動作に向く

上から取って上から置く工程に特に向いています。


5. 構造が比較的シンプル

用途が明確で、設計や導入の考え方が整理しやすいです。



■水平多関節ロボットの注意点


一方で、注意点もあります。


1. 姿勢自由度は高くない

6軸ロボットのような複雑な回り込み動作や任意角度での進入は苦手です。


2. 横方向からの作業には不向きな場合がある

基本的に上からのアクセスが中心になるため、横差しや複雑姿勢作業には制約があります。


3. 可搬重量やワーク形状に注意が必要

大型ワークや重いワークには向かない場合があります。


4. 動作範囲の確認が必要

平面内は広く動けても、周辺治具や設備との干渉条件を確認する必要があります。



■実務で重要なポイント

水平多関節ロボットを正しく選定、運用するには、次の点が重要です。


1. 工程が水平多関節向きかを見極める

最も重要なのは、平面搬送や上からの挿入が中心の工程かどうかを確認することです。


2. 6軸ロボットの簡易版と考えない

水平多関節ロボットは、姿勢自由度を減らす代わりに高速性や扱いやすさを高めた用途特化型ロボットです。


3. 可搬重量とリーチを確認する

軽量部品向きとはいえ、ハンド重量を含めた可搬条件は確認が必要です。


4. 周辺治具との干渉を確認する

アーム回転範囲やZ軸上下動作を含めて、治具や装置との干渉を確認する必要があります。


5. 繰り返し精度とタクトを両立させる

高速性が魅力ですが、必要精度と速度のバランスを取ることが重要です。



■よくある課題


水平多関節ロボットの導入では、次のような課題が起こりやすいです。


・工程が本当は6軸向きなのに選んでしまう

・平面では届くが干渉条件を見落とす

・ハンド重量を見落として可搬余裕が足りない

・姿勢自由度不足で組立が成立しない

・周辺治具設計が不足している

・タクト優先で精度確認が不十分

・動作範囲を平面だけで見てしまう

・将来の工程変更に対応しにくい


このため、

◆水平多関節ロボットは万能ではなく、高速平面作業に特化したロボットとして

 工程適性を見極めて使うことが重要です。



■自動化との相性


水平多関節ロボットは、自動化との相性が非常に良いロボットです。特に、高速搬送、小型部品組立、繰り返し位置決めが求められる工程で強みを発揮します。


主なメリットは次の通りです。


・タクト短縮しやすい

・省スペース化しやすい

・小型部品工程に向いている

・繰り返し作業の安定性が高い

・装置組込みしやすい

・量産工程との相性が良い


一方で、

◆複雑姿勢が必要な工程では垂直多関節ロボットのほうが適することもあるため、目的に合った選定が重要です。



■まとめ


水平多関節ロボットとは、主に水平方向の多関節動作を得意とするロボットで、一般的にはスカラロボットを指します。平面内の高速搬送と上下動作を組み合わせて、小型部品の搬送や組立に適しており、高速性、コンパクトさ、繰り返し精度の高さが強みです。


実務では、平面中心の工程か、姿勢自由度がどこまで必要か、可搬重量や干渉条件に問題がないかを見極めて選定することが重要です。適切に導入できれば、高速で安定した自動化を実現しやすくなります。

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