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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

Force Control Function

力制御機能

力制御機能とは、ロボットが位置や速度だけでなく、対象物に加わる力そのものを検知、または推定しながら動きを調整する機能のことです。産業用ロボット、協働ロボット、精密組立、研磨、検査、自動化設備などで重要な制御機能の一つです。


通常のロボット制御は、主に

・どこへ動くか・どの速度で動くか・どの軌跡を通るか

を中心に考えます。しかし実際の作業では、位置だけでは安定しない工程があります。たとえば、

・ワークへ一定の力で押し当てたい・穴へ部品を無理なく挿入したい・表面をなぞりながら研磨したい・接触したらやわらかく追従してほしい・人が押した方向へ動かしたい

といった場面です。


こうしたとき、ロボットに「どれだけ力がかかっているか」を見ながら動作を変えさせるのが力制御機能です。力の情報は、関節トルク推定、トルクセンサー、6軸力覚センサーなどから得る場合があります。


つまり力制御機能とは、ロボットが接触力や押し付け力を見ながら、作業に合わせて動きを調整するための機能のことです。



■力制御機能の役割

力制御機能の主な役割は、接触を伴う作業で、ロボットが過大な力を出しすぎず、適切な押し付けや追従を行えるようにすることです。


主に次のような目的で使われます。


・押し付け力の制御

・接触検知

・挿入補助

・研磨、バリ取り荷重制御

・表面追従

・衝突検知

・人協働時の柔軟動作

・作業品質の安定化


つまり、

◆力制御機能は位置だけでは難しい接触作業を安定して成立させるための機能です。



■なぜ重要なのか


ロボット作業では、目標位置へ行くだけでは不十分な工程があります。

たとえば、


・部品が少しずれていても入るようにしたい

・表面に強すぎず弱すぎない力で当てたい

・接触した瞬間を検知して動きを変えたい

・ワークのばらつきに追従したい

・人と一緒に安全に作業したい

といった場面です。


もし位置制御だけでこうした工程を行うと、


・押し込みすぎる

・部品や治具を傷める

・接触しても無理に進もうとする

・研磨荷重が一定にならない

・ばらつきへの対応が難しい

・人との接触時に危険になる

といった問題が起こります。


一方、力制御機能を使えば、


・押し付け力を一定に保ちやすい

・接触時に柔らかく反応しやすい

・挿入作業で無理な力を減らしやすい

・研磨やバリ取り品質を安定させやすい

・協働作業の安全性を高めやすい

といった効果があります。


そのため、力制御機能は単なる追加機能ではなく、精密作業、安全性、接触作業、ばらつき対応を支える重要な制御機能です。



■基本的な考え方


力制御機能は、一般的に次のような考え方で使われます。


1. 力を検知または推定する

先端や関節にどれだけ力がかかっているかを把握します。


2. 目標力と比較する

今の力が強すぎるのか、弱すぎるのか、ちょうどよいのかを判断します。


3. 動きを調整する

押し付けを弱める、追従する、停止する、一定荷重を保つなどの制御を行います。


4. 工程目的に合わせる

安全目的なのか、研磨なのか、挿入なのかで制御方法が変わります。


◆つまり力制御機能は、力の情報をもとにしてロボットの動きを調整する仕組みです。



■位置制御との違い


力制御機能を理解するうえで重要なのが、位置制御との違いです。


△位置制御

ロボットを決められた位置や軌跡へ正確に動かすことを重視します。


△力制御

ロボットに加わる力を見ながら、押し付けや追従を調整することを重視します。


つまり、

・位置制御=どこへ行くか重視

・力制御=どれだけ力がかかるか重視という違いがあります。


実務では、位置制御を基本にしながら、一部工程だけ力制御を併用することが多いです。



■トルクセンサー制御との違い


力制御機能とトルクセンサー制御は近いですが、少し意味が異なります。


△力制御機能

押し付けや追従を実現するための制御機能全体です。


△トルクセンサー制御

そのためにトルクセンサーや力覚情報を使う具体的な制御方法です。


つまり、

・力制御機能=目的や機能全体

・トルクセンサー制御=その実現手段の一つという関係です。



■コンプライアンス制御との関係


力制御機能は、コンプライアンス制御とも関係があります。


△コンプライアンス制御

外力に応じてロボットがやわらかく動くように見せる制御です。


△力制御機能

押し付け、接触、追従、一定荷重制御なども含む、より広い考え方です。


つまり、

◆コンプライアンス制御は力制御機能の一部として使われることがあると考えると分かりやすいです。



■6軸力覚センサーとの関係


力制御機能を高精度に行うとき、6軸力覚センサーが使われることがあります。


△6軸力覚センサー

先端に加わる3方向の力と3方向のモーメントを測定するセンサーです。


△力制御機能

その情報を使って押し付けや追従を制御します。


つまり、

◆6軸力覚センサーは力制御機能を実現するための代表的な入力装置です。



■ロボットでの使われ方


力制御機能は、特に次のような場面で使われます。


1. 精密組立

部品挿入時に無理な力がかからないようにします。


2. 研磨、バリ取り

ワークへ一定荷重で押し付けながら加工します。


3. 接触検査

接触した瞬間や接触方向を判断します。


4. 協働ロボット

人が加えた力に応じてやわらかく動いたり、安全停止したりします。


5. 表面追従

対象物のばらつきに合わせて押し付け状態を保ちます。


◆つまりロボットでは、力制御機能が接触を伴う作業や柔軟な追従動作で特に重要です。



■主なメリット


力制御機能には、一般的に次のようなメリットがあります。


1. 接触作業を安定させやすい

位置だけでは難しい工程を成立しやすくします。


2. 押し付け力を管理しやすい

研磨や組立で一定荷重を保ちやすいです。


3. ばらつきに対応しやすい

対象物の誤差やズレに追従しやすくなります。


4. 安全性を高めやすい

衝突や異常接触への反応に役立ちます。


5. 協働用途と相性が良い

人との接触や手動誘導を成立させやすいです。



■注意点


一方で、力制御機能には注意点もあります。


1. 力制御だけで何でも解決するわけではない

最も重要なのは、位置、姿勢、速度、機械剛性も合わせて整っていないと安定しにくいことです。


2. センサー精度や補正が重要

ノイズ、ゼロ点ずれ、ツール重量補正が不足すると正しく制御しにくくなります。


3. 機械剛性や摩擦の影響を受ける

理想的な力制御でも、実機ではたわみや摩擦が結果に影響します。


4. 工程ごとに最適条件が違う

協働、安全停止、研磨、挿入では、必要な設定や考え方が異なります。


5. 感度設定が難しい場合がある

敏感すぎると誤反応し、鈍すぎると異常に気づきにくいことがあります。



■実務で重要なポイント


力制御機能を正しく活用するには、次の点が重要です。


1. 何を実現したいかを明確にする

最も重要なのは、安全目的なのか、押し付け一定なのか、挿入補助なのかを明確にすることです。


2. 位置制御と一緒に考える

力だけでなく、進入方向、姿勢、速度も工程に合わせて設計することが重要です。


3. しきい値や感度を調整する

接触検知や一定荷重では、どのくらいの力で反応するかを調整する必要があります。


4. 実機で確認する

理論値やシミュレーションだけでなく、実際のワーク、治具、ばらつき条件で確認することが重要です。


5. センサー補正を行う

ゼロ点、ツール重量、取り付け方向、温度変化などの補正が必要になることがあります。


6. 機械条件も見る

アーム剛性、治具剛性、摩擦、バックラッシが結果へ影響することがあります。



■よくある課題


力制御機能の運用では、次のような課題が起こりやすいです。


・力制御だけで工程を成立させようとする

・位置、姿勢、速度設計が不足している

・感度設定が高すぎる、または低すぎる

・ノイズや補正不足を軽視する

・機械剛性不足を見落とす

・工程ごとの目的整理が曖昧

・実機ばらつき条件で確認していない

・安全用途と加工用途を同じ考え方で扱ってしまう


◆このため、力制御機能は便利な高機能制御ですが、

 力だけでなく位置、姿勢、速度、機械条件まで含めて設計すべき重要機能として扱う必要があります。



■自動化との相性


力制御機能は、自動化設備との相性が非常に良い制御機能です。特に、精密組立、研磨、接触検査、協働ロボット、人との協調作業で大きな効果があります。


主なメリットは次の通りです。


・接触作業を安定させやすい

・押し付け力を管理しやすい

・ばらつき対応しやすい

・安全性を高めやすい

・協働用途と相性が良い

・作業品質向上につながりやすい



■まとめ


力制御機能とは、ロボットが対象物に加わる力を検知または推定し、その情報を使って押し付け、追従、接触反応などを調整する機能です。位置制御だけでは難しい精密組立、研磨、接触検査、協働、安全停止などを実現しやすくする重要な制御機能です。一方で、力の情報だけでなく、位置、姿勢、速度、機械剛性、補正条件まで含めて考えることが重要です。


実務では、目的を明確にし、位置制御と組み合わせ、しきい値や感度を調整し、実機条件で確認することが重要です。適切に活用できれば、ロボットや自動化設備の安全性、柔軟性、品質を大きく高めることができます。

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