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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

Electromagnetic Holding Brake

電磁ブレーキ

電磁ブレーキとは、電磁力を使って軸を停止または保持するためのブレーキ機構のことです。産業用ロボット、協働ロボット、サーボモーター、昇降軸、搬送装置、自動機などで広く使われており、特に停止保持落下防止が必要な軸で重要になります。


一般的にロボットやサーボ軸では、通常の減速そのものはサーボ制御や回生制御で行うことが多いですが、停止後に位置を保持する、電源断時に軸が動かないようにする、といった目的で電磁ブレーキが使われます。たとえば、上下軸や重力の影響を受ける関節では、電源が切れるとワークやアームが落下しようとすることがあります。こうしたときに軸を機械的に保持する役割を持つのが電磁ブレーキです。


多くの電磁ブレーキは、通電で解除し、無通電で制動する方式が採用されます。これは、停電や非常停止時でもブレーキが効くようにするためです。つまり電磁ブレーキとは、電磁力を利用して軸を安全に停止、保持するための機械ブレーキです。



■電磁ブレーキの役割


電磁ブレーキの主な役割は、モーター軸や関節軸を停止状態で保持し、重力や外力による不用意な動きを防ぐことです。


主に次のような目的で使われます。


・停止位置の保持

・電源断時の落下防止

・上下軸の保持

・安全停止時の軸固定

・サーボオフ時の姿勢保持

・ワーク保持中の安全確保

・保守時の安全性向上

・機械的な制動補助


つまり、

◆電磁ブレーキは軸を止めて保持するための安全機構として重要です。



■なぜ重要なのか


ロボットや自動機では、止まることと保持することは同じではありません。たとえば、


・サーボ制御で減速して止まる

・停止後もその位置を維持する

・停電時でも軸が落ちない

・昇降軸が自重で下がらない

・保守中に不用意に動かない


といったことが必要です。


もし電磁ブレーキがなかったり、正常に働かなかったりすると、


・上下軸が落下する

・アーム姿勢が崩れる

・停電時に危険な動きが起こる

・保持位置がずれる

・保守時の安全性が下がる

・機械的な衝突や損傷につながる


といった問題が起こります。


そのため、

◆電磁ブレーキは単なる停止装置ではなく、安全性と停止保持を支える重要部品です。



■基本的な仕組み


電磁ブレーキは、一般的に次のような仕組みで動作します。


1. 無通電時

ばねの力などによってブレーキが締結し、軸を固定します。


2. 通電時

電磁力でブレーキを解除し、モーター軸が自由に回転できるようになります。


3. 停止時

必要に応じて再び無通電状態となり、ブレーキが効いて保持状態になります。


このため、

◆電磁ブレーキは通電で解除、無通電で保持という考え方で使われることが多いです。

これは停電時や異常時に自動的にブレーキがかかるため、安全設計上も重要な考え方です。



■サーボ制御との違い


電磁ブレーキとサーボ制御は混同されやすいですが、役割は異なります。


サーボ制御

モーターを制御して減速、停止、位置決めを行います。


電磁ブレーキ

停止後に軸を保持し、外力や重力による動きを防ぎます。


つまり、

・サーボ制御=動かしながら止める

・電磁ブレーキ=止めた後に保持するという違いがあります。


ロボットでは、通常の減速停止はサーボ制御で行い、その後の保持や停電時対策として電磁ブレーキが使われることが多いです。



■回生ブレーキとの違い


回生ブレーキも「ブレーキ」という名前が付きますが、意味は異なります。


回生ブレーキ

減速時にモーターが発電機のように働き、運動エネルギーを電気として回収、処理する電気的制動です。


電磁ブレーキ

電磁力と摩擦機構で軸を機械的に固定、保持するブレーキです。


つまり、

・回生ブレーキ=減速用の電気的制動

・電磁ブレーキ=保持用の機械的制動という違いがあります。



■ロボットとの関係


ロボットでは、特に次のような軸で電磁ブレーキが重要です。


1. 上下軸

重力の影響で落下しやすいため、停止保持が重要です。


2. 重力負荷の大きい関節

アーム姿勢によっては自重で動こうとする軸があります。


3. 安全上重要な軸

停電時や非常停止時に不用意に動いてはいけない軸です。


4. サーボオフ時に位置保持が必要な軸

保守や待機状態で姿勢を保つ必要がある場合です。


つまり、

◆電磁ブレーキはロボットが止まったあとも安全な状態を維持するための保持機構です。



■主なメリット


電磁ブレーキには、一般的に次のようなメリットがあります。


1. 停止保持ができる

停止後に軸を機械的に固定しやすいです。


2. 電源断時に安全を確保しやすい

無通電で効く方式なら、停電時でも保持しやすいです。


3. 上下軸の落下防止に役立つ

重力で動く軸の安全性向上につながります。


4. 保守時の安全性を高めやすい

作業中の不用意な動きを防ぎやすいです。


5. ロボットの姿勢保持に有効

待機中や非常停止時の姿勢崩れを防ぎやすいです。



■注意点


一方で、電磁ブレーキには注意点もあります。


1. 動作中の主制動用ではないことが多い

最も重要なのは、電磁ブレーキは通常、走行中や高速動作中の主減速用ではなく、保持用として使われることが多い点です。


2. 摩耗や寿命がある

摩擦面を持つため、使用頻度や条件によって摩耗します。


3. 過負荷保持には限界がある

定格以上の荷重や衝撃を受けると保持しきれない場合があります。


4. 解放不良や張付きが起こることがある

長期使用や環境条件によって、解除不良や応答遅れが起こる場合があります。


5. 停電時の保持はできても、安全作業とは別

ブレーキが効いていても、保守作業時には別途LOTOや安全処置が必要です。



■実務で重要なポイント


電磁ブレーキを正しく理解、運用するには、次の点が重要です。


1. 減速用か保持用かを分けて考える

最も重要なのは、電磁ブレーキを減速ブレーキではなく、停止保持ブレーキとして理解することです。


2. 上下軸や重力軸では特に重視する

落下リスクのある軸では、電磁ブレーキの健全性が安全性に直結します。


3. 保持トルクを確認する

ワーク重量、アーム姿勢、重心条件に対して十分な保持力があるかを確認する必要があります。


4. 摩耗や応答性を点検する

ブレーキ摩耗、解除遅れ、異音、発熱などは予防保全の対象になります。


5. サーボ制御との連携を見る

ブレーキ投入とサーボオフのタイミングが不適切だと、ショックや位置ずれが起こる場合があります。


6. 安全作業手順を標準化する

停電時や保守時に軸がどう保持されるか、どの手順で解除するかを明確にしておくことが重要です。



■よくある課題


電磁ブレーキの運用では、次のような課題が起こりやすいです。


・停止保持用なのに減速用と誤解する

・保持トルク不足を見落とす

・摩耗を放置する

・解除不良に気づくのが遅れる

・サーボオフとのタイミング不良でショックが出る

・停電時の挙動を確認していない

・上下軸の安全性を軽視する

・ブレーキがあるから安全と過信する


このため、

◆電磁ブレーキは便利な機構ですが、保持用途と安全用途を正しく理解して管理すべき機械ブレーキです。



■自動化との相性


電磁ブレーキは、自動化設備との相性が非常に良い機構です。特に、ロボットの上下軸、昇降装置、重力負荷のある関節、安全停止が重要な設備で大きな価値を持ちます。


主なメリットは次の通りです。


・停止保持を安定して行いやすい

・停電時の安全性を高めやすい

・上下軸の落下防止に役立ちやすい

・ロボット姿勢保持に向いている

・保守時の安全確保に貢献しやすい

・設備全体の安全性向上につながりやすい



■まとめ


電磁ブレーキとは、電磁力を使ってモーター軸や関節軸を停止、保持するための機械ブレーキです。ロボットでは通常の減速はサーボ制御で行い、停止後の保持や電源断時の落下防止、安全確保のために電磁ブレーキが使われます。特に上下軸や重力負荷のある軸で重要です。


実務では、減速用ではなく保持用として理解し、保持トルク、摩耗、解除不良、サーボ制御との連携、安全作業手順まで含めて管理することが重要です。適切に運用できれば、ロボットや自動化設備の安全性と信頼性を大きく高めることができます。

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