
Earth Resistance Measurement / Ground Resistance Measurement
接地抵抗測定
接地抵抗測定とは、設備、制御盤、電気機器、分電盤、避雷設備、モーター、ロボット、工作機械などに設けられた接地(アース)が、地面に対してどの程度低い抵抗でつながっているかを測定し、接地機能が適切に働く状態か確認する点検作業のことです。
接地は、漏電や異常電流が発生したときに電気を安全に地面へ逃がし、感電や機器損傷、火災リスクを低減するための基本的な安全対策です。しかし、接地線の劣化、接続不良、接地極の腐食、地盤条件の変化などによって、十分な性能が出なくなることがあります。
そこで、実際に接地抵抗を測定し、必要な性能が維持されているか確認するのが接地抵抗測定です。
つまり
※接地抵抗測定とは、アースが安全に機能する状態かを数値で確認し、感電や漏電リスクを低減するための点検作業です。
工場設備、自動化装置、受配電設備、制御機器などで行われる重要な電気保全作業の一つです。
■接地抵抗測定の役割
接地抵抗測定の主な役割は、接地設備が正常に機能しているかを確認し、漏電時や異常時の安全性を確保することです。
主に次のような目的で行われます。
・感電リスクの低減
・漏電時の安全性確認
・保護装置の動作支援
・設備や制御機器の保護
・雷やサージ対策の基礎確認
・接地劣化の早期発見
・定期点検や法令対応
・電気設備の信頼性 維持
◆つまり、接地抵抗測定は電気設備の安全を支える接地機能を数値で確認するための基本検査です。
■なぜ重要なのか
接地は普段見えにくい存在ですが、異常時には非常に重要です。もし漏電が起きても、接地が適切でなければ異常電流がうまく逃げず、感電や機器破損の危険が高まります。
また、接地不良はノイズ、誤動作、通信不安定の原因になることもあります。
特に、自動化設備や精密機器では安全面だけでなく制御品質にも影響するため、接地状態の確認は欠かせません。
接地抵抗測定が重要な理由は次の通りです。
・漏電時の危険を減らしやすいため
・感電や火災リスクを下げやすいため
・保護機器が働きやすくなるため
・ノイズ対策や誤動作防止にも役立つため
・接地劣化を数値で把握しやすいため
・設備安全管理の根拠になるため
◆特に、屋外設備、湿気の多い設備、老朽化設備では重要度が高くなります。
■主な対象
接地抵抗測定の対象には、次のようなものがあります。
・制御盤
・分電盤
・モーター
・工作機械
・ロボット設備
・搬送装置
・受配電設備
・避雷設備
・産業用PCや通信機器の接地
・金属筐体を持つ電気機器
◆つまり、接地によって安全性や安定性を確保している電気設備全般が対象になります。
■主な測定方法
接地抵抗測定には、いくつかの代表的な方法があります。
1. 三極法
もっとも一般的な方法です。接地極のほかに補助電極を2本打ち込み、電流電極と電位電極を使って抵抗値を測定します。比較的正確に測りやすい方法です。
2. 二極法
補助電極を十分に設けにくい場合などに使われることがあります。簡易的ですが、測定条件の影響を受けやすいです。
3. クランプ式測定
接地線をクランプして測る方法です。補助電極を打ち込みにくい場所で便利ですが、測定対象の条件によって使い方に注意が必要です。
■主な測定の流れ
接地抵抗測定は、一般的に次のような流れで行います。
1. 対象接地を確認する
どの設備、どの接地系統を測るかを明確にします。
2. 必要に応じて接地線を分離する
他系統の影響を避けるため、単独で測れるようにする場合があります。
3. 補助電極を設置する
三極法などでは、規定距離をとって補助電極を地面に打ち込みます。
4. 測定器を接続する
接地抵抗計を使って、対象接地と補助電極へ接続します。
5. 測定して判定する
測定値が基準に対して適切か確認し、必要に応じて改善や再施工を検討します。
■絶縁抵抗測定との違い
絶縁抵抗測定は、配線や機器の絶縁状態を確認する試験です。
一方、接地抵抗測定は、接地がどれだけ低抵抗で大地につながっているかを確認する試験です。
つまり、
・絶縁抵抗測定=漏れてはいけないところへ漏れないか
・接地抵抗測定=異常時に逃がす経路が適切か
という違いがあります。
■導通確認との違い
導通確認は、配線がつながっているかどうかを見る確認です。
一方、接地抵抗測定は、つながっているだけでなく、その接地性能が十分かを抵抗値で評価する測定です。
つまり、
・導通確認=つながっているか
・接地抵抗測定=安全に機能する接地か
という違いがあります。
■実務で重要なポイント
接地抵抗測定を正確かつ安全に行うには、次の点が重要です。
1. 測定方法を対象に合わせる
最も重要なのは、三極法、二極法、クランプ式など、対象設備や現場条件に合った方法を選ぶことです。方法が不適切だと、正しい評価ができません。
2. 地盤条件を考慮する
接地抵抗は、土の湿り気、温度、地質によって変わります。乾燥時期と雨天後では値が変わることもあるため、環境条件を考慮する必要があります。
3. 他系統の影響を避ける
接地線が複数系統とつながっていると、単独の接地極の性能が見えにくくなることがあります。必要に応じて分離して測ることが重要です。
4. 基準値を確認する
設備や接地種別によって求められる値の考え方が異なるため、社内基準、設計基準、法令上の扱いを確認して判断することが重要です。
5. 数値だけで終わらない
基準を満たしていない場合は、接地線接続部、端子腐食、接地棒状態、周辺土壌条件などの原因を確認する必要があります。
6. 定期的に比較する
単発の値だけでなく、過去記録と比較すると劣化傾向が見えやすくなります。徐々に悪化しているケースもあります。
7. 安全を確保する
測定時は活線設備周辺で作業することもあるため、感電防止、立入管理、作業手順の遵守が重要です。
■よくある課題
接地抵抗測定では、次のような課題が起こりやすいです。
・地盤条件で値が変動する
・補助電極を十分な距離で設置できない
・他の接地系統の影響を受ける
・単純に数値だけ見て原因を追わない
・記録が残っておらず傾向管理できない
・導通確認と混同してしまう
・接地線腐食や接続不良を見逃す
・測定方法が現場条件に合っていない
◆このため、接地抵抗測定は単なる数値確認ではなく、接地方式、環境条件、傾向管理まで含めた電気安全確認作業として行うことが重要です。
■予防保全との関係
接地抵抗測定は、予防保全の代表的な電気点検項目です。
接地性能の低下を早めに見つけ、漏電時の危険や誤動作を防ぐために行います。
つまり、
・予防保全=故障や事故の前に手を打つ考え方
・接地抵抗測定=その具体的な電気点検作業の一つ
という関係です。
■自動化との相性
接地抵抗測定は、自動化設備との相性が非常に良いというより、自動化設備の電気安全と制御安定性を守るために欠かせない基本点検です。
自動化設備は電装点数が多く、接地不良が安全性だけでなくノイズや通信品質にも影響することがあるためです。
主なメリットは次の通りです。
・電気安全を確認しやすい
・漏電リスクを下げやすい
・保護装置が働きやすい状態を維持しやすい
・ノイズ起因トラブルの予防に役立ちやすい
・設備停止リスクを減らしやすい
・点検結果を数値で管理しやすい
◆一方で、測定値だけで安心せず、接地線や接続部の状態確認もあわせて行うことが重要です。
■実務でのチェックポイント
・測定対象の接地系統を明確にしているか
・測定方法は適切か
・補助電極の設置条件は確保できているか
・地盤条件の影響を考慮しているか
・基準値と照らして判定しているか
・過去記録と比較しているか
・接地線や接続部の腐食、緩みを見ているか
・安全手順を守って作業しているか
■関連用語
・絶縁抵抗測定
・ケーブル断線検知
・コネクタ緩み点検
・セルフダイアグノシス(自己診断)
・定期点検
・予防保全(PM)
・無停電電源装置(UPS)
・制御盤保全
■まとめ
接地抵抗測定とは、設備や制御盤、電気機器の接地が適切に機能しているかを抵抗値で確認する点検作業です。漏電時の安全確保、感電防止、機器保護、ノイズ対策の面で非常に重要な電気保全項目です。
実務では、測定方法の選定、環境条件の考慮、基準値判定、記録管理、接地線や接続部の確認まで含めて行うことが重要です。適切に実施できれば、設備安全性、電気信頼性、保全品質を大きく向上させることができます。
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