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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

Collision Detection Sensor

衝突検知センサー

衝突検知センサーとは、ロボットや自動機が人、ワーク、治具、設備、障害物などに接触したこと、または接触しそうな異常な力や衝撃が発生したことを検知するための仕組みのことです。産業用ロボット、協働ロボット、搬送装置、自動機、AGV、エンドエフェクタなどで重要になる機能です。


ロボットは通常、あらかじめ決めた軌道どおりに動きますが、現場では想定外のことが起こります。

たとえば、


・人が作業エリアへ入る

・ワーク位置がずれる・

治具に正しく入っていない

・ハンドや配線が引っ掛かる

・装置同士が干渉する


といった状況です。

こうしたとき、何も検知できなければロボットはそのまま押し続けたり、ぶつかったまま動こうとしたりして、破損や危険につながります。そこで、異常な接触や衝撃を検知して停止、減速、退避などの制御につなげるのが衝突検知センサーです。


ただし、実務では「衝突検知センサー」という言葉が、必ずしも独立した物理センサーだけを指すとは限りません。

実際には、


・関節トルクの変化を見る

・モーター電流の急変を見る

・加速度や振動を見る

・先端の力覚センサーで外力を見る

・バンパーや接触スイッチで物理接触を検知する


など、さまざまな方式があります。


つまり衝突検知センサーとは、ロボットや装置が異常な接触や衝撃を受けたことを検知し、安全や設備保護につなげるための検知機能です。



■衝突検知センサーの役割


衝突検知センサーの主な役割は、想定外の接触や過大な力を早く見つけて、設備や人への被害を小さくすることです。


主に次のような目的で使われます。


・人との接触検知

・設備干渉の検知

・ワークずれの検知

・治具への突き当て異常検知

・ロボット先端の異常負荷検知

・破損防止

・安全停止制御

・異常復旧判断の補助


つまり、

◆衝突検知センサーはロボットが異常な接触を見逃さないための安全、保護機能です。



■なぜ重要なのか


ロボットは力が強く、速度も速いため、衝突を検知できないと被害が大きくなりやすいです。

たとえば、


・治具が壊れる

・ワークが変形、破損する

・ハンドやツールが曲がる

・減速機や関節へ過負荷がかかる

・人に危険が及ぶ

・再立上げに時間がかかる

といった問題が起こります。


特に、協働ロボットや人の近くで使う設備では、衝突を早く検知して力を逃がすことが非常に重要です。また、量産設備でも、位置ずれや段取り違いを早く検知できれば、大きな設備損傷や大量不良を防ぎやすくなります。


そのため、

◆衝突検知センサーは単なる便利機能ではなく、安全性、設備保護、歩留まり維持に直結する重要機能です。



■主な仕組み


衝突検知の仕組みにはいくつかの方式があります。代表的には次のようなものです。


1. 関節トルク監視

関節にかかるトルクが通常より急に増えたとき、接触や干渉が起きたと判断する方法です。


2. モーター電流監視

モーター電流の急増を見て、異常負荷や衝突を推定する方法です。


3. 力覚センサー

ロボット先端にかかる力やモーメントを直接検出して、接触を判断する方法です。


4. 加速度、振動検知

衝撃や異常振動を検出して、衝突の可能性を判断する方法です。


5. バンパー、接触スイッチ

実際に物理的に触れたときにONするシンプルな方式です。


つまり、

◆衝突検知センサーは1つの部品名というより、異常接触を見つけるための複数方式の総称として使われることが多いです。



■内蔵トルクセンサ―との違い


衝突検知センサーとよく関係するのが、内蔵トルクセンサ―です。


※内蔵トルクセンサ―

関節内部でトルクを高精度に検出するセンサです。


※衝突検知センサー

そのトルク情報や他の情報を使って、衝突や接触異常を検知する機能です。


つまり、

・内蔵トルクセンサ―=力を測るための要素

・衝突検知センサー=衝突を見つけるための機能、仕組みという関係です。


◆内蔵トルクセンサ―があると、より高精度な衝突検知を行いやすくなります。



■力覚センサーとの違い


衝突検知センサーと力覚センサーも混同されやすいです。


※力覚センサー

先端にかかる力、モーメントを計測するためのセンサです。


※衝突検知センサー

その力覚情報を含めて、異常接触かどうかを判断するための機能です。


つまり、

・力覚センサー=力を測る

・衝突検知センサー=衝突を判断するという違いがあります。



■協働ロボットとの関係


衝突検知センサーは、特に協働ロボットで重要です。

協働ロボットでは、人と同じ空間で使うことが多いため、


・人に触れたら早く止まる

・押し続けない

・接触力を抑える

・軽い接触でも異常を判断する

といったことが求められます。


そのため、

◆協働ロボットでは関節トルク監視や内蔵トルクセンサ―を活用した衝突検知機能が重視されることが多いです。



■主な用途


衝突検知センサーは、次のような用途で活用されます。


1. 人との協働安全

人に触れたときに異常を検知して停止する用途です。


2. 設備保護

治具、ワーク、ハンド、装置同士の衝突で破損を防ぐ用途です。


3. 段取り異常検知

ワーク位置ずれや治具セット不良を見つける用途です。


4. 挿入、組立異常検知

勘合不良や押し込み異常を接触負荷から検知する用途です。


5. 搬送異常検知

途中で引っ掛かったり、荷崩れしたりしたときの異常判定に使います。



■主なメリット


衝突検知センサーには、一般的に次のようなメリットがあります。


1. 設備破損を防ぎやすい

大きな衝突になる前に停止しやすくなります。


2. 人への危険を減らしやすい

接触時の停止や減速につなげやすいです。


3. ワーク不良を減らしやすい

位置ずれや押しすぎを早く見つけやすいです。


4. 復旧を早くしやすい

異常原因を早く絞り込みやすくなります。


5. 高度な自動化に向く

人協働や精密組立のような繊細な工程で役立ちます。



■注意点


一方で、衝突検知センサーには注意点もあります。


1. 何でも完全に防げるわけではない

最も重要なのは、検知があっても接触ゼロにできるわけではなく、反応前のわずかな衝撃は起こり得ることです。


2. 感度設定が難しい

敏感すぎると誤停止しやすく、鈍すぎると検知が遅れます。


3. 衝突前予防とは別

衝突検知は接触後の検知が中心であり、レーザースキャナやビジョンによる事前回避とは役割が異なります。


4. 機構条件の影響を受ける

姿勢、速度、負荷、摩擦、ツール重量によって検知しやすさが変わることがあります。


5. センサー単体で安全完結しない

人保護では、安全規格に基づく全体設計が必要です。



■実務で重要なポイント


衝突検知センサーを正しく活用するには、次の点が重要です。


1. 何を守りたいかを明確にする

最も重要なのは、人保護なのか、設備保護なのか、ワーク保護なのか、目的を明確にすることです。


2. 速度と感度をセットで考える

高速動作では停止までのエネルギーが大きくなるため、感度だけでなく速度条件も重要です。


3. 誤検知と見逃しのバランスを取る

実機条件で閾値を調整し、誤停止ばかりでも、見逃しばかりでもない状態にする必要があります。


4. 姿勢やツール条件を考慮する

アーム姿勢、ハンド重量、ワーク重量で関節負荷が変わるため、全姿勢で同じ設定が最適とは限りません。


5. 事前予防機能と分けて考える

レーザースキャナ、ビジョン、安全柵などの予防系と、衝突検知の接触後対応系は役割が違います。


6. 復旧手順を整備する

検知後にどのように確認し、どこを見て、どう再開するかを標準化すると運用しやすくなります。



■よくある課題


衝突検知センサーの活用では、次のような課題が起こりやすいです。


・衝突検知だけで安全が完結すると考えてしまう

・感度設定が高すぎて誤停止が多い

・逆に鈍すぎて検知が遅い

・速度条件を見直していない

・姿勢やツール変更後に再調整していない

・事前回避機能と混同している

・異常停止の原因切り分けができていない

・設備保護と人保護を同じ考えで扱っている


このため、

◆衝突検知センサーは便利な機能ですが、停止条件、速度条件、目的、安全設計全体の中で使うべき検知機能です。



■自動化との相性


衝突検知センサーは、自動化設備との相性が非常に良い機能です。特に、協働ロボット、人の近くで動く設備、精密組立、段取り変化の多い工程、設備保護が重要なラインで大きな効果があります。


主なメリットは次の通りです。


・設備破損を防ぎやすい

・人との近接作業で役立ちやすい

・組立や挿入異常を見つけやすい

・段取りずれへの耐性を上げやすい

・復旧判断をしやすくなる

・設備全体の信頼性向上につながりやすい



■まとめ

衝突検知センサーとは、ロボットや自動機が人、ワーク、治具、設備などへ異常接触したことを検知し、停止や減速、保護制御につなげるための検知機能です。関節トルク監視、モーター電流監視、力覚センサー、加速度検知、接触スイッチなど、さまざまな方式があります。


実務では、何を守りたいのかを明確にし、速度、感度、姿勢、ツール条件を含めて調整することが重要です。適切に活用できれば、人の安全性、設備保護、ワーク品質、復旧性を大きく高めることができます。

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