
Coaxial Lighting
同軸照明
同軸照明とは、カメラの光軸(撮影方向)と同じ軸上から対象物へ光を照射する画像処理用照明です。ハーフミラー(ビームスプリッター)を使用して光をレンズと同じ方向へ導く構造となっており、産業用ロボットや協働ロボット、画像処理装置、外観検査装置などで広く使用されています。
通常のリング照明やバー照明は斜め方向から光を照射しますが、同軸照明はカメラと完全に同じ方向から均一な光を照射するため、平坦な金属表面や鏡面部品でも均一な画像を取得しやすいことが特徴です。
特に、鏡面加工品、金属プレート、ガラス、ウェハー、電子部品など、反射の影響を受けやすい対象物の検査や位置認識で高い効果を発揮します。一方、凹凸を強調する用途にはあまり適しておらず、用途に応じて他の照明方式と使い分ける必要があります。
主な用途には次のようなものがあります。
・金属部品の位置認識
・鏡面部品の外観検査
・電子基板検査
・半導体検査
・QRコード読取り
・OCR(文字認識)
・寸法測定
例えば、
・ロボット位置補正
・ビンピッキング
・電子部品組立
・精密部品検査
・医療機器検査
・半導体製造
・AI画像認識
など、高精度な画像認識が求められる設備で利用されています。
◆つまり同軸照明とは、
カメラと同じ方向から均一な光を照射し、反射の影響を抑えながら高精度な画像を取得する照明方式です。
■同軸照明の役割
同軸照明の主な役割は、対象物を均一に照らし、反射や影の影響を抑えながら安定した画像を取得することです。
主な役割は次のとおりです。
・均一照明
・反射制御
・コントラスト向上
・位置認識
・文字認識
・寸法測定
・外観検査
・自動化対応
◆つまり同軸照明は、平坦な対象物を高精度に撮影するための代表的な照明方式です。
■なぜ重要なのか
通常の照明では、
・反射が強く発生する
・影ができる
・輪郭が不鮮明になる
・検査精度が低下する
といった課題があります。
一方、同軸照明を導入することで、
・均一な画像を取得できる
・鏡面反射をコントロールできる
・位置認識精度が向上する
・文字認識率が向上する
・品質を安定化できる
など、多くのメリットがあります。
◆そのため同軸照明は、精密検査やロボットビジョンで重要な照明方式となっています。
■基本的な考え方
同軸照明は、一般的に次の流れで動作します。
1. 光源から光を照射する
LEDなどの光源から光を発生させます。
2. ハーフミラーで光を反射する
光をレンズの光軸方向へ導きます。
3. 対象物を均一に照射する
カメラと同じ方向から光が当たります。
4. カメラが画像を取得する
均一な画像を撮影し、画像処理を行います。
◆つまり同軸照明は、カメラと同じ光軸を利用して撮影品質を向上させる仕組みです。
■リング照明との違い
混同されやすい照明方式としてリング照明があります。
△同軸照明
カメラと同じ方向から光を照射します。
△リング照明
レンズの周囲から斜め方向 へ光を照射します。
つまり、
・同軸照明=均一照明・鏡面向き・リング照明=汎用用途向き
という違いがあります。
■バックライトとの違い
もう一つ混同されやすいのがバックライト照明です。
△同軸照明
対象物の正面から光を 照射します。
△バックライト
対象物の背面から光を照射し、輪郭を抽出します。
つまり、
・同軸照明=表面観察
・バックライト=輪郭抽出
という違いがあります。
■ロボットでの使われ方
同軸照明は、次のような用途で利用されています。
1. 精密位置決め
金属部品の位置を高精度に認識します。
2. QRコード読取り
反射を抑えてコードを読み取ります。
3. OCR(文字認識)
刻印や印字を鮮明に撮影します。
4. 電子部品検査
基板やIC部品を均一に撮影します。
5. 寸法測定
表面を安定した条件で撮影します。
◆つまり同軸照明は、平坦で反射しやすいワークの認識・検査に最適な照明方式です。
■主なメリット
同軸照明を導入することで、一般的に次のようなメリットがあります。
1. 均一な画像を取得できる
照明ムラを抑えられます。
2. 反射を制御できる
鏡面部品でも認識しやすくなります。
3. 認識精度が向上する
位置認識やOCRの精度が高まります。
4. 品質を安定化できる
外光や照射条件の影響を受けにくくなります。
5. 高精度検査に対応できる
電子部品や精密部品の検査に適しています。
■注意点
一方で、同軸照明には注意点もあります。
1. 凹凸のあるワークには適さない場合がある
最も重要なのは、同軸照明は表面が平坦な対象物に適した照明方式 であり、凹凸や深い立体形状を強調したい場合には十分な効果が得られないことです。そのような用途ではバー照明やリング照明などを検討します。
2. ワーク材質を確認する
表面の反射特性に合わせて照明を選定します。
3. 光量を調整する
白飛びや露出不足を防ぎます。
4. レンズとの組み合わせを確認する
視野や撮影距離に適した構成にします。
5. 定期点検を実施する
LEDやハーフミラーの汚れ・劣化を確認します。
■実務で重要なポイント
同軸照明を効果的に活用するには、次の点が重要です。
1. 対象物の表面状態を確認する
最も重要なのは、対象物が平坦で反射しやすい材質かどうかを確認し、同軸照明が最適な方式であるかを判断することです。
2. カメラ・レンズと一体で設計する
視野や焦点距離を考慮して照明を配置します。
3. 外光を遮断する
照明ボックスやカバーを活用し、周囲光の影響を抑えます。
4. 調光機能を利用する
対象物ごとに最適な明るさへ調整します。
5. 保守履歴を管理する
照明交換や清掃履歴を記録します。
6. 実機評価を行う
サンプルワークで撮影・画像処理を行い、認識精度を確認してから導入します。
■よくある課題
同軸照明では、次のような課題が発生しやすくなります。
・凹凸の認識が難しい
・光量が不足する
・ハーフミラーが汚れる
・白飛びが発生する
・外光の影響を受ける
・設置スペースが必要になる
・ワークごとに調整が必要になる
・導入コストが高くなる場合がある
◆このため同軸照明は、
対象物の材質や形状、撮影目的、カメラ・レンズとの組み合わせを総合的に考慮して設計することが重要です。
■自動化との相性
同軸照明は、自動化設備との相性が非常に良く、産業用ロボット、協働ロボット、2Dカメラ、AI画像認識、PLC、外観検査装置などと組み合わせることで、高精度な画像認識システムを構築できます。
主なメリットは次のとおりです。
・鏡面部品の認識精度を向上できる
・位置決め精度を向上できる
・品質を安定化できる
・多品種生産へ対応できる
・省人化を推進できる
・スマートファクトリー化を実現できる
■まとめ
同軸照明とは、カメラの光軸と同じ方向から対象物へ光を照射する画像処理用照明です。鏡面金属や電子部品、ガラスなど反射しやすい対象物でも均一な画像を取得でき、位置認識や外観検査、OCR、寸法測定などで高い効果を発揮します。
実務では、対象物の表面状態や撮影目的を十分に確認し、カメラ・レンズ・画像処理と一体で設計することが重要です。適切な同軸照明を導入することで、画像認識の精度と安定性を大きく向上させ、高品質なロボット自動化システムを実現できます。






