
Allowable Torque (Per Axis Torque Limit)
許容トルク(各軸)
許容トルク(各軸)とは、ロボットやサーボ機構の各関節(軸)が安全に発生・保持できる最大トルクの許容値を示す仕様です。
産業ロボットは複数の関節軸(J1〜J6など)で構成されており、それぞれの軸にはモーターや減速機の能力に応じ たトルク制限があります。
この許容トルクを超える負荷がかかると、サーボ過負荷アラーム、精度低下、減速機破損、モーター過熱などの原因となります。
可搬重量が規格内であっても、アーム長・重心位置・加速度によって各軸にかかるトルクが増加するため、ロボット選定では各軸の許容トルク確認が重要です。
■トルクとは
トルクは回転させる力を表します。
<式>
T = F × r
◆記号 | ◆意味 |
T | トルク |
F | 力 |
r | 半径(距離) |
距離が長いほどトルクが大きくなります。
■許容トルクのイメージ
重い × 長い → 大トルク 軽い × 短い → 小トルク
<つまり>
重量 + 長さ + 加速度=軸トルク
■各軸ごとに制限がある理由
ロボットは軸ごとに能力が異なります。
◆軸 | ◆特徴 |
J1 | ベース回転 |
J2 | アーム上下 |
J3 | 前腕 |
J4 | 手首回転 |
J5 | 手首曲げ |
J6 | 手首回転 |
根元ほど大トルクが必要になります。
■許容トルクを超えると起こる問題
◆問題 | ◆内容 |
サーボアラーム | 過負荷 |
減 速機損傷 | ギア破損 |
精度低下 | たわみ |
発熱 | モーター過熱 |
振動 | 制御不安定 |
高速動作ほど影響が大きいです。
■可搬重量との違い
◆項目 | ◆可搬重量 | ◆許容トルク |
基準 | 重量 | 回転力 |
評価 | 全体 | 各軸 |
関係 | 静的 | 動的 |
両方満たす必要があります。
■許容トルクに影響する要素
◆要素 | ◆内容 |
ワーク重量 | 負荷 |
重心位置 | モーメント |
リーチ | 距離 |
加速度 | 慣性 |
姿勢 | 重力方向 |
ツール重量 | 追加負荷 |
姿勢によっても変わります。
■FA・ロボットで重要な理由
次の用途で特に重要です。
◆作業 | ◆理由 |
重量物搬送 | 高負荷 |
長尺ワーク | 大モーメント |
高速動作 | 慣性増大 |
溶接 | 姿勢変化 |
協働ロボット | 安全制御 |
■許容トルクを守るための対策
◆方法 | ◆内容 |
重心を近づける | モーメント減少 |
軽量ハンド | 負荷低減 |
加速度制限 | トルク減少 |
大型ロボット選定 | 容量増 |
姿勢変更 | 軸負荷減 |
設計段階で重要です。
■まとめ
許容トルク(各軸)とは、ロボットの各関節軸が安全に発生できる最大回転力の制限値です。
可搬重量だけでなく、重心位置・リーチ・加速度によって軸トルクが変わるため、ロボット選定やツール設計で重要な仕様となります 。
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