
Allowable Moment of Inertia / Permissible Inertia
許容慣性モーメント
許容慣性モーメントとは、ロボットやサーボモーターが安定して加減速できる負荷の慣性の上限値を示す仕様です。
ワークや治具の重量だけでなく、回転中心からの距離によって発生する慣性(イナーシャ)が大きくなると、モーターや減速機に大きな負荷がかかります。そのため、ロボットやサーボモーターには安全に制御できる慣性の範囲が定められており、この上限が許容慣性モーメントです。
可搬重量が規格内でも、慣性モーメントが大きいと振動・停止誤差・アラームの原因になるため、ロボット選定では重要な仕様項目です。
■慣性モーメントとは
慣性モーメントは回転しにくさを表します。
<式>
J = m × r²
◆記号 | ◆意味 |
J | 慣性モーメント |
m | 質量 |
r | 回転中心からの距離 |
距離が遠いほど負荷が大きくなります。
■許容慣性モーメントのイメージ
同じ重量でも負荷は変わります。
軽い × 長い → 大きな慣性 重い × 短い → 小さな慣性
<つまり>
重量 だけでは決まらない
■可搬重量との違い
◆項目 | ◆可搬重量 | ◆許容慣性 |
基準 | 重量 | 回転負荷 |
影響 | 持てるか | 制御できるか |
関係 | 静的 | 動的 |
両方を満たす必要があります。
■許容慣性を超えると起こる問題
◆問題 | ◆内容 |
サーボアラーム | 過負荷 |
振動 | 制御不安定 |
停止誤差 | 精度低下 |
減速機損傷 | 寿命低下 |
モーター過熱 | 故障 |
特に高速動作で問題になります。
■FA・ロボットで重要な理由
次の用途で特に重要です。
◆作業 | ◆理由 |
ピック&プレース | 高加速 |
溶接 | 軌跡制御 |
搬送 | 高速停止 |
組立 | 精度要求 |
協働ロボット | 安全制御 |
高速ほど重要になります。
■許容慣性を小さくする方法
◆方法 | ◆内容 |
重心を近づける | rを小さく |
軽量ハンド | mを減らす |
ツール短縮 | 距離減少 |
加速度制限 | 負荷減少 |
大型ロボット選定 | 許容増加 |
設計で大きく変わります。
■ロボット仕様での表記例
<メーカー仕様>
許容慣性モーメント J = 0.15 kg·m²
軸ごとに設定されることもあります。
■関連用語
◆用語 | ◆内容 |
可搬重量 | 重量 |
モーメント負荷 | 重心 |
慣性モーメント | 回転負荷 |
リーチ | 長さ |
サーボ応答 | 制御性能 |
これらはセットで確認します。
■まとめ
許容慣性モーメントとは、ロボットやサーボ モーターが安定して制御できる負荷の慣性の上限を示す仕様です。
重量だけでなく重心位置や長さによって変化し、ロボット選定やツール設計で重要な指標となります。
お見積り・ご相談は今すぐ!
24時間365日受付




