
Vacuum Ejector
真空エジェクタ
真空エジェクタとは、圧縮空気(エア)を利用して真空を発生させ、真空吸着パッドでワークを吸着・保持するための装置です。産業用ロボットや協働ロボット、自動化設備では、真空グリッパーの心臓部ともいえる重要な機器であり、箱、ガラス、金属板、樹脂製品、食品などの搬送に幅広く利用されています。
真空エジェクタは、「ベンチュリ効果(Venturi Effect)」という原理を利用しています。圧縮空気を細いノズルへ高速で流すことで周囲の圧力を低下させ、真空状態を作り出します。この真空によって吸着パッドがワークを保持します。
一般的な真空搬送システムは、次のような構成になります。
・コンプレッサー
・エアフィルター
・真空エジェクタ
・真空配管
・真空吸着パッド
・真空センサー
・電磁弁
例えば、
・段ボール箱の搬送
・ガラス板の搬送
・金属板の搬送
・樹脂成形品の取り出し
・食品トレーの搬送
・電子部品の搬送
など、真空吸着を利用する多くの工程で使用されています。
真空を発生させる装置には真空ポンプもありますが、真空エジェクタは小型で軽量、応答性が高く、ロボット先端への搭載もしやすいことから、多くのロボットシステムで採用されています。
◆つまり真空エジェクタとは、
圧縮空気を利用して真空を発生させる装置であり、真空吸着システムを構成する重要な機器です。
■真空エジェクタの役割
真空エジェクタの主な役割は、吸着に必要な真空を発生させ、ワークを安定して保持できる状態を作ることです。
主な役割は次のとおりです。
・真空の発生
・ワークの吸着
・吸着力の維持
・搬送補助
・高速応答
・真空解除(ブロー)
・生産性向上
・自動搬送の実現
◆つまり真空エジェクタは、真空搬送システムの動力源として重要な役割を担っています。
■なぜ重要なのか
真空エジェクタを適切に選定しない場合、
・吸着力が不足する
・ワークが落下する
・搬送速度が低下する
・エア消費量が増える
・設備停止が発生する
・生産性が低下する
といった問題が発生する可能性があります。
一方、用途に合った真空エジェクタを採用することで、
・安定した吸着ができる
・高速搬送が可能になる
・設備をコンパクトにできる
・ロボット先端を軽量化できる
・メンテナンス性を向上できる
など、多くのメリットがあります。
◆そのため真空エジェクタは、真空搬送設備の性能を左右する重要な装置となっています。
■基本的な考え方
真空エジェクタは、一般的に次の流れで選定します。
1. ワークを確認する
重量、サイズ、材質、表面状態を確認します。
2. 必要な真空流量を決める
ワークや吸着パッドの数に応じた能力を選定します。
3. エジェクタを選ぶ
真空到達度、吸込流量、応答速度などを確認します。
4. 動作確認を行う
実際のワークで吸着力やサイクルタイムを確認します。
◆つまり真空エジェクタは、ワーク重量や吸着条件に合わせて能力を選定することが重要です。
■真空ポンプとの違い
混同されやすい装置として真空ポンプがあります。
△真空エジェクタ
圧縮空気を利用して真空を発生させます。小型・軽量で応答性が高く、ロボットへの搭載に適しています。
△真空ポンプ
モーターで真空を発生させます。大量の空気を吸引でき、複数の吸着ポイントを長時間使用する設備に適しています。
つまり、
・真空エジェクタ=エアで真空を作る
・真空ポンプ=モーターで真空を作る
という違いがあります。
■真空吸着パッドとの違い
もう一つ混同されやすいのが真空吸着パッドです。
△真空エジェクタ
真空を発生させる装置です。
△真空吸着パッド
発生した真空を利用してワークを吸着する部品です。
つまり、
・真空エジェクタ=真空を作る
・真空吸着パッド=真空で吸着する
という違いがあります。
■ロボットでの使われ方
真空エジェクタは、次のような用途で利用されています。
1. ピックアンドプレース
箱やトレーを高速で搬送します。
2. パレタイジング
段ボール箱や袋物を吸着して積み付けます。
3. 板材搬送
ガラスや金属板を安全に搬送します。
4. 樹脂成形品の取り出し
射出成形機から製品を自動で取り出します。
5. 食品搬送
食品容器や包装製品を衛生的に搬送します。


