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High-precision collaborative robot FAIRINO

Interlocking Device for Industrial Robots

インタロック

インタロック(Interlock)とは、あらかじめ設定された条件が満たされていない場合に、機械やロボットの危険な動作を開始させない、または動作を停止させる制御機能です。


日本語では「インターロック」とも表記されます。

産業用ロボット、協働ロボット、工作機械、自動組立ライン、搬送設備などで幅広く使用されています。


例えば、ロボットの安全扉が開いている間は自動運転を開始できないようにする仕組みが、代表的なインタロックです。

また、CNC旋盤のチャックが閉じていない場合に主軸回転を禁止するなど、設備の動作条件を管理する用途にも使用されます。


インタロックには、大きく分けて次の2種類があります。


  • 安全インタロック:作業者の危険を防止するための安全関連機能

  • 工程インタロック:設備の誤動作や工程不良を防ぐための制御機能


この2つは目的が異なり、工程インタロックを設けただけでは、安全関連機能として必要な性能を満たしたことにはなりません。


代表的な関連規格には、次のものがあります。


  • ISO 14119:ガードに関連するインタロック装置の設計・選定

  • ISO 14120:ガードの設計・製作に関する一般要求事項

  • ISO 13849-1:安全関連制御システムの設計

  • ISO 14118:予期しない起動の防止

  • ISO 12100:機械類のリスクアセスメントとリスク低減

  • ISO 10218:産業用ロボットおよびロボットシステムの安全要求事項


◆インタロックは、危険な動作が許可される条件を制御することで、設備の安全性と運転の確実性を高める

 重要な仕組みです。



■インタロックの仕組み


インタロックは、センサーやスイッチなどから取得した状態を制御システムが判断し、設備の動作を許可または禁止します。


例えば、安全扉にインタロックスイッチを設置した場合、次のように動作します。


△安全扉インタロックの基本動作


*安全扉が閉じている

    ↓

その他の安全条件も成立していれば運転を許可できる


*安全扉が開いている

    ↓

危険な動作の開始を禁止、または保護停止を要求


◆安全扉を閉めただけで自動再起動してよいわけではありません。再起動条件は別途、安全設計で定めます。


基本的な動作は次のとおりです。


  1. センサーやスイッチが設備の状態を検知する

  2. 制御システムがインタロック条件を確認する

  3. 条件が成立している場合、所定の動作を許可する

  4. 条件が成立していない場合、動作を禁止する

  5. 運転中に安全条件が失われた場合、必要な安全停止を実行する


◆安全インタロックでは、安全スイッチ、安全PLC、安全リレーなどを組み合わせ、要求される安全性能を確保します。



■安全インタロックと工程インタロックの違い

項目

安全インタロック

工程インタロック

主な目的

人の危険防止

誤動作・工程不良の防止

代表例

安全扉が開くと保護停止

ワーク未検出時は加工開始禁止

制御機器

安全PLC・安全リレーなど

一般PLCなど

安全性能

リスクに応じたPLr等が必要

通常は安全性能を要求しない

故障への対応

安全関連の故障対策が必要

設備仕様に応じて設計

例えば、ロボットハンドがワークを把持していない場合に搬送を禁止する制御は、工程インタロックとして使用されることがあります。


◆ただし、ワーク落下による人身事故を防ぐための機能として使用する場合は、

 安全関連機能として評価する必要があります。



■安全扉インタロック


安全扉インタロックは、産業用ロボットの安全対策で代表的な仕組みです。


ロボットセルの出入口にインタロックスイッチを設置し、扉の開閉状態を監視します。


一般的には、次のような制御を行います。


  • 安全扉が開いている場合は自動運転を禁止

  • 自動運転中に扉が開いた場合は保護停止

  • 扉を閉めた後は必要なリセット操作を要求

  • 運転開始は別の開始操作で実行


◆ただし、安全扉を開けてから作業者が危険源に到達するまでに、ロボットが停止できない場合があります。

 このような設備では、ガードロック付きインタロック装置などを検討する必要があります。



■ガードロック付きインタロックとは?


ガードロック付きインタロックとは、危険な状態が解消されるまで安全扉を開けられないようにする仕組みです。

例えば、ロボットの停止に時間がかかる場合、安全停止が確認されるまで扉のロックを維持する構成が考えられます。

項目

通常の安全扉インタロック

ガードロック付き

扉の開閉監視

あり

あり

扉のロック

通常なし

あり

主な用途

停止前に危険源へ到達しない設備

停止時間が長い設備など

主な注意点

安全距離・到達時間

ロック解除条件・閉じ込め防止

◆ガードロックを採用する場合は、停電時の動作や設備内部への閉じ込め、非常時の脱出方法なども

 評価します。



■インタロックスイッチの種類


ISO 14119では、ガードに関連するインタロック装置を、作動原理などに応じて分類しています。

代表的な方式には次のものがあります。


1. 機械式インタロックスイッチ

安全扉の開閉によって機械的にスイッチを作動させる方式です。


2. 非接触式インタロックスイッチ

磁気式やRFID式などを利用して、安全扉の状態を検知する方式です。


3. キー式インタロックスイッチ

専用アクチュエータを使用して、扉の開閉状態を検知する方式です。


4. ガードロック付きスイッチ

扉の状態を監視するとともに、必要な条件が成立するまで扉をロックする方式です。


◆機器の選定では、環境条件、故障時の挙動、無効化のしにくさ、安全性能などを考慮します。



■インタロックと非常停止の違い


インタロックとエマージェンシーストップは、どちらも設備の危険な動作を停止させるために使用されますが、目的が異なります。

項目

インタロック

非常停止

主な目的

危険な動作の防止

緊急時の危険回避・軽減

作動条件

安全条件の不成立

非常停止装置の操作

代表例

安全扉の開放

非常停止ボタンの押下

停止方法

安全機能の設計による

停止カテゴリ0または1

復帰方法

設備の安全設計による

手動解除が必要

非常停止は、作業者が緊急時に操作する安全機能です。


◆一方、安全インタロックは、設備の状態を監視し、危険な動作を開始させない、

 または停止させるための機能です。



■インタロックと安全PLCの関係


安全インタロックでは、安全PLCや安全リレーなどが使用されます。


安全PLCは、安全扉スイッチなどの信号を監視し、安全条件に応じてロボットや設備へ停止要求を出します。


例えば、次のような条件を組み合わせます。


  • 安全扉が閉じている

  • 非常停止が解除されている

  • ライトカーテンが遮光されていない

  • 安全関連機器に異常がない

  • 必要なリセット操作が完了している


これらの条件が成立した場合に、運転開始を許可する構成が考えられます。


◆ただし、安全PLCを使用しただけで安全性が保証されるわけではありません。

 安全機能全体で必要な安全性能を満たす必要があります。



■インタロックの安全性能とPLr


PLr(Required Performance Level)とは、安全関連制御機能に要求されるパフォーマンスレベルです。

ISO 13849-1では、リスクアセスメントに基づき、安全機能に必要な性能を決定します。


インタロックの安全性能を評価する際には、次の項目などを確認します。


  • 安全スイッチの信頼性

  • 安全PLCや安全リレーの性能

  • 故障検出能力

  • 共通原因故障への対策

  • 配線や接続方法

  • ロボット側の安全停止機能


◆一般PLCで条件判定を行っているだけでは、安全インタロックに必要な安全性能を満たせない場合があります。



■工作機械とロボットのインタロック


ロボットによる工作機械へのワーク投入・取り出しでは、複数のインタロック条件を組み合わせます。


例えば、CNC旋盤と協働ロボットを連携させる場合、次のような条件が考えられます。

条件

制御内容の例

工作機械の主軸が停止している

ロボットの進入を許可

自動扉が開いている

ワーク投入動作を許可

チャックが開いている

ワーク挿入を許可

ロボットが退避している

工作機械の加工開始を許可

安全扉が開いている

危険な自動動作を禁止

これらは工程条件の例です。


◆人身事故を防ぐ目的で使用する条件については、必要な安全性能を備えた安全関連制御として

 設計する必要があります。



■協働ロボットのインタロック


協働ロボットでも、安全インタロックは重要です。


協働ロボットには、速度制限や接触検知などの安全機能が搭載される場合がありますが、これらの機能だけですべての危険を防止できるわけではありません。


例えば、次のような設備ではインタロックが必要となる場合があります。


  • ロボットと工作機械の連携

  • 自動扉の開閉

  • ロボットハンドによるワーク把持

  • コンベヤとの連動

  • 作業者が立ち入る安全区域の監視


FAIRINOなどの協働ロボットを使用する場合も、ロボット本体の安全機能と周辺設備のインタロックを適切に組み合わせることが重要です。



■インタロックの無効化と危険性


インタロックの安全設計では、意図的な無効化への対策が重要です。


例えば、安全扉を開けたまま運転するために、スイッチへ予備のアクチュエータを差し込む行為などは、重大な事故につながる可能性があります。

そのため、ISO 14119では、インタロック装置の無効化を防ぐための設計上の考え方が示されています。


具体的には、次のような対策を検討します。


  • 無効化しにくい機器の選定

  • スイッチの適切な設置位置

  • 固定方法の工夫

  • 作業性を考慮した設備設計

  • 保守・段取り時の安全な運転モード


◆単に無効化を禁止するだけでなく、作業者が無効化する必要を感じない設備設計も重要です。



■インタロックの点検・保守


安全インタロックは、設備の運転中に確実に機能する必要があります。


そのため、メーカーの指示や設備の保守計画に基づいて点検します。


主な点検項目は次のとおりです。

  • 安全スイッチの破損や変形

  • アクチュエータの位置ずれ

  • 配線や接続部の異常

  • 安全扉開放時の停止動作

  • ガードロックの正常性

  • 安全PLCとの信号連携

  • 扉を閉めた後の意図しない再起動の有無


◆点検では、ロボットの惰走やワーク落下などを考慮し、設備を安全な状態にしたうえで実施します。



■インタロック設計の注意点


1. 工程制御と安全制御を区別する

工程上の動作条件と、人身事故を防ぐ安全関連機能を混同しないことが重要です。


2. 安全扉の開放後の停止時間を考慮する

作業者が危険源へ到達する前に、危険な動作が停止するよう設計します。


3. 再起動防止を設計する

安全扉を閉めただけで、危険な動作が自動的に再開しないようにします。


4. 周辺設備を含めて評価する

ロボット本体だけでなく、工作機械、ハンド、コンベヤなどの危険源も評価します。


5. 設備変更時に再評価する

安全扉の位置変更、ロボットの速度変更、制御プログラムの変更などでは、安全機能を再評価します。


■まとめ


インタロックとは、あらかじめ設定された条件が満たされていない場合に、機械やロボットの危険な動作を禁止または停止させる制御機能です。

産業用ロボット、協働ロボット、工作機械、自動化ラインなどで使用され、安全扉の監視や設備間の動作条件管理に役立ちます。


ただし、工程インタロックと安全インタロックは目的が異なります。

人の安全を確保するためのインタロックでは、ISO 14119やISO 13849-1などを考慮し、適切な安全性能を備えた機器と制御システムを使用する必要があります。

インタロックは、設備の誤動作防止と作業者の安全確保を支える重要な仕組みであり、適切なリスクアセスメントと安全設計を前提として導入することが重要です。

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