
Robot DeviceNet
ロボットDeviceNet
ロボットDeviceNetとは、産業用ロボットや協働ロボット、PLC、センサー、I/Oユニット、インバーターなどを接続するための産業用フィールドバス通信規格です。
DeviceNetは1994年にAllen-Bradley(現在のRockwell Automation)が開発し、現在はODVA(Open DeviceNet Vendors Association)が管理・普及を行っています。
DeviceNetは、自動車の車載ネットワークでも使われる**CAN(Controller Area Network)**をベースにした通信方式で、高い耐ノイズ性と安定した通信性能を備えています。現在ではEtherNet/IPやPROFINETなどの産業用イーサネットが主流になっていますが、多くの既設設備では現在も利用されており、ロボットとの接続にも広く採用されています。
ロボットでは、次のような用途で利用されます。
・PLCとの通信
・I/Oデータの送受信
・ロボットの運転開始
・停止指令
・動作完了信号の送信
・センサーとの接続
・インバーターや周辺機器との通信
・設備全体の状態監視
・異常情報の共有
DeviceNetは、通信と電源供給を1本の専用ケーブルで構成できるため、配線を簡素化しやすいことも特徴です。
つまりロボットDeviceNetとは、ロボットとPLCや周辺機器を安定して接続し、設備全体を制御するためのフィールドバス通信規格のことです。
■ロボットDeviceNetの役割
ロボットDeviceNetの主な役割は、ロボットと設備全体を接続し、各機器の情報を共有しながら安定した自動運転を実現することです。
主に次のような目的で利用されます。
・PLCとの通信
・I/O信号の共有
・設備全体の制御
・センサー情報の取得
・異常情報の通知
・ロボット状態の監視
・周辺機器との同期運転
・設備配線の簡素化
◆つまりロボットDeviceNetは、ロボットと周辺設備を一つのネットワークで接続するための通信基盤です。
■なぜ重要なのか
製造現場では、ロボットだけでなく多くの機器が連携して動作しています。
例えば、
・PLC
・I/Oユニット
・センサー
・インバーター
・コンベヤー
・バーコードリーダー
・安全機器
・表示器(HMI)
などです。
これらの機器が通信できなければ、
・ロボットへ動作指令を送れない
・設備全体を同期できない
・異常情報を共有できない
・自動運転が成立しない
・設備保守が難しくなる
といった問題が発生します。
一方、DeviceNetを利用すると、
・安定した通信ができる
・耐ノイズ性能が高い
・配線を簡素化できる
・設備全体を一元管理できる
・既存設備との接続がしやすい
といったメリットがあります。
◆そのため、DeviceNetは既設設備や長期間稼働する生産ラインで現在も重要な通信規格となっています。
■基本的な考え方
DeviceNetは、一般的に次のような仕組みで通信します。
1. スキャナー(マスター)が通信を管理する
PLCなどがネットワーク全体を管理します。
2. 各機器がノードとして接続される
ロボット、I/Oユニット、センサーなどがネットワークへ参加します。
3. データを送受信する
各機器が必要なデータを交換します。
4. 設備全体を同期制御する
PLCが受信した情報をもとに設備全体を制御します。
◆つまりDeviceNetは、一つの通信ネットワーク上で複数の機器を接続し、設備全体を制御する仕組みです。
■EtherNet/IPとの違い
DeviceNetを理解するうえで重要なのが、EtherNet/IPとの違いです。
△DeviceNet
CANベースのフィールドバス通信で、比較的低速ですが高い安定性があります。
△EtherNet/IP
Ethernetを利用した高速な産業用ネットワークです。
つまり、
・DeviceNet=CANベースのフィールドバス通信
・EtherNet/IP=Ethernetベースの高速通信
という違いがあります。
■CC-Linkとの違い
CC-Linkも設備制御で広く使われていますが、通信方式が異なります。
△DeviceNet
ODVAが管理するCANベースの通信規格です。
△CC-Link
CC-Link協会(CLPA)が管理するフィールドネットワークです。
つまり、
・DeviceNet=CANベースの国際規格・CC-Link=三菱電機を中心に普及したフィールドネットワーク
という違いがあります。
■PROFIBUSとの違い
PROFIBUSも代表的なフィールドバスです。
△DeviceNet
CAN通信を利用します。
△PROFIBUS
RS-485ベースの通信を利用します。
つまり、
・DeviceNet=CANベース
・PROFIBUS=RS-485ベース
という違いがあります。
■ロボットでの使われ方
DeviceNetは、特に次のような場面で利用されます。
1. PLCとの通信
開始信号や完了信号をやり取りします。
2. I/Oユニ ット
入出力信号を集約します。
3. センサー接続
各種センサーの情報を取得します。
4. コンベヤー制御
搬送設備との同期運転を行います。
5. 既設設備の更新
既存ラインへロボットを追加する際に利用されることがあります。
◆つまりDeviceNetは、既設設備との接続や設備全体の制御で多く利用される通信方式です。
■主なメリット
DeviceNetには、一般的に次のようなメリットがあります。
1. 耐ノイズ性能が高い
工場環境でも安定した通信ができます。
2. 配線を簡素化できる
通信と電源をまとめて配線できる構成に対応しています。
3. 多くの機器が対応している
長年普及しているため対応機器が豊富です。
4. 保守しやすい
通信構成が比較的シンプルです。
5. 既存設備を活用しやすい
古い設備との互換性を維持しやすいです。
■注意点
一方で、DeviceNetには注意点もあります。
1. 通信速度は最新規格より遅い
最も重要なのは、EtherCATやEtherNet/IPなどの最新ネットワークと比べると通信速度が低いことです。
2. 新規設備では採用が減っている
現在は産業用イーサネットへの移行が進んでいます。
3. ケーブル長や通信速度に制限がある
通信条件に応じた設計が必要です。
4. ノードアドレス管理が必要
各機器のアドレスを適切に設定する必要があります。
5. 将来の拡張を考慮する
新規設備ではEtherNet/IPなどとの使い分けを検討することが重要です。
■実務で重要なポイント
DeviceNetを導入・運用するには、次の点が重要です。
1. 既設設備との互換性を確認する
最も重要なのは、PLCやロボットがDeviceNetに対応していることを確認することです。
2. ノードアドレスを整理する
重複しないよう管理します。
3. 通信速度とケーブル長を確認する
仕様に合わせて設計します。
4. 通信異常時の処理を考える
異常検知や復旧方法を設計します。
5. 実機で通信確認を行う
通信品質や応答時間を検証します。
6. 将来の更新計画を考慮する
設備更新時のネットワーク移行も視野に 入れます。
■よくある課題
DeviceNetでは、次のような課題が起こりやすいです。
・ノードアドレスが重複する
・ケーブル長の制限を超える
・終端抵抗の設定を誤る
・通信速度を適切に設定していない
・既設設備との仕様を確認していない
・更新時の移行計画がない
・保守資料が不足している
・通信テストを十分に行っていない
◆このため、DeviceNetは単なる通信方式ではなく、
設備全体のネットワーク設計や保守計画まで考慮して運用すべき重要なフィールドバス通信規格として
扱う必要があります。
■自動化との相性
DeviceNetは、自動化設備との相性が良く、特に既設ライン、自動車産 業、搬送設備、PLC制御設備などで現在も活用されています。
主なメリットは次の通りです。
・安定した通信が可能
・耐ノイズ性能が高い
・既設設備を活用しやすい
・配線を簡素化できる
・多くの対応機器がある
・設備保守を行いやすい
■まとめ
ロボットDeviceNetとは、ロボットとPLC、I/Oユニット、センサー、周辺機器などを接続するためのCANベースのフィールドバス通信規格です。耐ノイズ性能が高く、安定した通信を実現できることから、多くの既設設備や自動化ラインで現在も利用されています。一方で、新規設備ではEtherNet/IPなどの産業用イーサネットへ移行が進んでいるため、設備構成や将来の拡張性を考慮した選定が重要です。
実務では、対応機器の確認、ノードアドレス管理、通信速度、ケーブル長、終端抵抗の設定、将来の更新計画まで含めて設計・運用することが、自動化設備の安定稼働につながります。






