
Risk Assessment
リスクアセスメント
リスクアセスメントとは、作業や設備、機械、製造ラインなどに潜む危険源(ハザード)を洗い出し、その危険性(リスク)の大きさを評価し、優先順位を付けて適切な対策を講じる安全管理手法です。
製造業、建設業、物流、医療など幅広い業 界で実施されており、日本では労働安全衛生法に基づく自主的な実施が推奨されています。また、機械安全の国際規格であるISO 12100では、機械設計における基本プロセスとして位置付けられています。
リスクアセスメントでは、まず設備や作業に存在する危険源を特定し、その危険によって発生する事故の重大さ(重篤度)や発生する可能性(頻度・確率)を評価します。その結果に基づいて、安全対策を優先順位の高いものから実施し、リスクを許容可能なレベルまで低減します。
例えば製造業では、
・協働ロボットとの接触
・工作機械への挟まれ
・切削工具による切創
・フォークリフトとの接触
・重量物の落下
・感電・高温部への接触
・有害物質への暴露
などが代表的な危険源となります。
ISO 12100では、リスク低減は次の3ステップメソッドで進めることが推奨されています。
本質安全設計(危険源そのものを取り除く)
安全防護・保護装置の設置(安全柵、安全センサー、安全PLCなど)
使用上の情報提供(警告表示、マ ニュアル、教育・訓練)
この手順で対策を実施した後でも残る危険は残留リスクとして管理し、作業者へ周知・教育を行います。
◆つまりリスクアセスメントとは、
危険を見つけて評価し、安全対策によってリスクを低減するための体系的な活動です。
■リスクアセスメントの役割
リスクアセスメントの主な役割は、事故や災害が発生する前に危険を把握し、適切な安全対策を講じることです。
主な役割は次のとおりです。
・危険源の特定
・リスク評価
・安全対策の立案
・優先順位の決定
・労働災害の防止
・法令・規格への対応
・安全教育
・継続的改善
◆つまりリスクアセスメントは、安全管理の出発点となる重要な活動です。
■なぜ重要なのか
リスクアセスメントを実施しない場合、
・危険を見落とす
・事故が発生してから対策する
・安全対策の優先順位が分からない
・重大災害につながる
といった問題が発生する可能性があります。
一方、リスクアセスメントを実施することで、
・危険を事前に把握できる
・事故を未然に防止できる
・安全投資を優先順位に沿って実施できる
・作業手順を改善できる
・安全文化を向上できる
など、多くのメリットがあります。
◆そのためリスクアセスメントは、安全な職場づくりの基本となる活動です。
■基本的な考え方
リスクアセスメントは、一般的に次の流れで実施します。
1. 危険源を特定する
設備や作業に潜む危険を洗い出します。
2. リスクを評価する
事故が起きた場合の重大さや発生頻度を評価します。
3. リスクを低減する
本質安全設計、安全装置、教育などの対策を実施します。
4. 効果を確認する
対策後のリスクを再評価し、残留リスクを管理します。
◆つまりリスクアセスメントは、特定・評価・対策・再評価を繰り返す安全管理の仕組みです。
■残留リスクとの違い
混同されやすいものとして残留リスクがあります。
△リスクアセスメント
危険を特定・評価し、安全対策を検討・実施する活動です。
△残留リスク
安全対策を実施した後でも残る危険性です。
つまり、
・リスクアセスメント=危険を評価・改善する活動
・残留リスク=対策後に残る危険


