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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

Ring Light / Ring Illumination / Ring Lighting for Machine Vision

リング照明

リング照明とは、カメラレンズの周囲を囲むように円形に配置された照明で、対象物をほぼ同じ方向から均一に照らすためのビジョン用照明装置のことです。画像検査、位置決め、寸法確認、印字確認、バーコード読取、外観検査、ロボットビジョンなどで広く使われています。


形状がリング状であるため、カメラ視野の中心と照明中心を合わせやすく、比較的コンパクトに構成できるのが特長です。一般照明のように全体をただ明るくするのではなく、カメラが見たい情報を安定して取得するための専用照明として使われます。


つまりリング照明とは、カメラ周囲から対象物を均一に照らし、画像処理の安定性を高めるための代表的なビジョン用照明です。



■リング照明の役割


リング照明の主な役割は、対象物全体へ比較的均一な光を与え、カメラ画像の見え方を安定させることです。


主に次のような目的で使われます。


・ワーク全体を均一に照らす

・輪郭や外形を見やすくする

・位置決め用の特徴を安定して映す

・印字や刻印のコントラストを上げる

・部品有無確認を安定させる

・画像処理のばらつきを減らす

・省スペースで照明を配置する


◆つまり、リング照明は汎用性が高く、ビジョンシステムの基本照明として使いやすい装置です。



■なぜ重要なのか


画像検査では、カメラの性能だけでなく、どのような光で対象物を照らすかによって結果が大きく変わります。照明が不適切だと、影が強く出る、見たい印字が薄くなる、エッジが不安定になるなどの問題が起こります。

リング照明は、比較的シンプルな構成で均一な照明条件を作りやすいため、多くの現場で最初に検討される照明方式の一つです。


リング照明が重要な理由は次の通りです。


・照明ムラを抑えやすいため

・カメラと同軸に近い配置がしやすいため

・構成が比較的シンプルなため

・多くのワークに適用しやすいため

・位置決めや一般検査で使いやすいため

・装置組込みしやすいため


◆特に「まず安定して見せたい」という用途で、非常に使いやすい照明方式です。



■基本構造


リング照明は、一般的に次のような構造を持ちます。


1. 円形LED配列

LEDを円形に並べ、中央にカメラレンズが通る穴を持つ構造です。これにより、レンズの周囲から均等に照らせます。


2. 取付部

カメラやレンズ周辺へ固定するためのブラケットやアダプタです。カメラと一体的に配置されることが多いです。


3. 発光面

LEDが直接見えるタイプ、拡散板を通すタイプなどがあり、光の硬さや反射特性が変わります。


4. 電源・調光回路

照度を調整するための電源やコントローラを持つことが多く、ワークや検査条件に合わせて明るさを調整します。




■主な種類


リング照明にはいくつかの代表的なタイプがあります。


1. 直射型リング照明

LED光を直接対象物へ当てるタイプです。輪郭や印字を比較的はっきり見せやすいですが、反射が強く出ることがあります。


2. 拡散型リング照明

発光面を拡散させ、やわらかい光を当てるタイプです。反射の強い対象物や、影を抑えたい用途で有効です。


3. 高角度リング照明

比較的正面に近い角度から照射するタイプです。平坦な面や印字確認に向いています。


4. 低角度リング照明

浅い角度から照射するタイプです。表面キズや凹凸を強調したいときに使われることがあります。


5. 色別リング照明

白色、赤色、青色、緑色、赤外など、対象物に合わせて光色を選べるタイプです。材質や印字色によって使い分けます。



■主な用途


リング照明は、次のような用途でよく使われます。


・位置決めカメラ

・部品有無確認

・外形確認

・印字確認

・レーザー刻印確認

・バーコード、QRコード読取

・組立状態確認

・簡易外観検査

・ロボットビジョン


◆つまり、汎用的な画像検査や位置決め用途で特に使われやすい照明です。



■実務で重要なポイント


リング照明を適切に使うには、次の点が重要です。


1. ワーク表面の反射特性

最も重要なのは、ワークがどのように反射するかです。金属、樹脂、フィルム、ガラスでは光の返り方が大きく異なります。鏡面ワークでは直射型リング照明だと白飛びしやすく、拡散型やドーム照明のほうが向く場合があります。


2. 照射角度

リング照明はカメラ周囲から照らすため、比較的均一ですが、角度によって見える特徴が変わります。印字を見たいのか、キズを見たいのか、輪郭を見たいのかで、選ぶ角度が重要です。


3. カメラとの距離

ワークとの距離が変わると、照射範囲や明るさ分布が変わります。近すぎると照明ムラや反射が強くなり、遠すぎると光量不足になることがあります。


4. 光量調整

明るすぎると白飛びし、暗すぎるとノイズが増えます。調光できる構成にして、ワークや露光条件に合わせることが重要です。


5. 外乱光対策

工場照明や外光の影響を受けると、せっかくのリング照明の効果が不安定になります。遮光カバーや撮像ボックスを併用することもあります。


6. 汎用性と専用性の見極め

リング照明は汎用性が高い一方、すべての検査に最適とは限りません。鏡面ワークや表面キズ強調では、ドーム照明や斜光照明のほうが適する場合があります。



■よくある課題


リング照明では、次のような課題が起こりやすいです。


・金属面で反射が強すぎる

・印字が薄く見える

・表面キズが出にくい

・距離が変わると明るさが安定しない

・ワーク形状で影が出る

・光が均一でも見たい特徴が浮かない

・外乱光で画像が変動する

・汎用的すぎて最適照明にならない


◆このため、リング照明は便利な汎用照明ですが、対象物に対して本当に必要な見え方が得られるかを必ず実ワークで評価することが重要です。



■ドーム照明との違い


リング照明は、カメラ周囲から比較的直接的に光を当てる方式です。一方、ドーム照明は、内部反射を使ってやわらかい拡散光を広く当てる方式です。


つまり、

・リング照明=汎用性が高く、構成がシンプル

・ドーム照明=反射の強いワークに強いが、やや大きくなりやすい

という違いがあります。


◆反射が強すぎない対象ならリング照明、鏡面や曲面反射が厳しいならドーム照明が有力です。



■バー照明との違い

バー照明は、一方向から光を当てるため、影や凹凸を強調しやすい方式です。一方、リング照明は、全周から比較的均一に照らすため、方向性を抑えやすいのが特長です。


つまり、

・バー照明=方向性を持たせた照明

・リング照明=均一性を重視した照明

という違いがあります。



■自動化との相性

リング照明は、自動化設備との相性が非常に良い照明です。理由は、コンパクトでカメラ周辺へ取り付けやすく、位置決めや読取用途に広く対応できるためです。


主なメリットは次の通りです。


・カメラ周辺にまとめて配置しやすい

・比較的コンパクト

・汎用性が高い

・位置決めや読取用途に使いやすい

・画像処理条件を安定させやすい

・調光制御と組み合わせやすい


◆一方で、用途によっては最適照明ではないため、安易に「とりあえずリング照明」で決めないことが重要です。



■実務でのチェックポイント


・何を見たいのか明確か

・対象物は反射が強いか弱いか

・直射型か拡散型かを適切に選んでいるか

・照射距離と視野サイズが合っているか

・光量調整ができるか

・外乱光を抑えられているか

・他の照明方式よりリング照明が適する理由が明確か

・実ワーク評価で安定性を確認しているか



■関連用語



・照明装置(ビジョン用)

・バー照明

・ドーム照明

・バックライト

・同軸落射照明

・外観検査

・画像認識AI

・レーザー刻印(マーキング)



■まとめ


リング照明とは、カメラレンズの周囲を囲むように配置されたビジョン用照明で、対象物を比較的均一に照らして画像処理の安定性を高める装置です。位置決め、印字確認、読取、外観確認など、多くのビジョン用途で使われる代表的な照明方式です。


実務では、対象物の反射特性、照射角度、距離、光量、外乱光まで含めて最適化することが重要です。適切なリング照明を選定できれば、画像検査の安定性と設備の再現性を大きく高めることができます。

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