
Predictive Maintenance
予兆保全(プディクティブ・メンテ)
予兆保全(プディクティブ・メンテ)とは、設備や機械の稼働データ、センサ情報、振動、温度、電流、圧力、音、画像などを継続的に監視し、故障や劣化の兆候を事前に検知して、最適なタイミングで保全を行う考え方のことです。英語では Predictive Maintenance と呼ばれ、IoT、AI、センサ技術の進展により、製造業やプラント、物流設備、ロボット設備などで導入が進んでいます。
従来の保全には、故障してから修理する事後保全、定期的に部品交換や点検を行う予防保全があります。これに対して予兆保全は、設備状態をもとに「まだ使えるのか」「そろそろ異常が起きそうか」を判断し、壊れる前に、かつ早すぎないタイミングで対応することを目指します。つまり、過剰保全と突発故障の両方を減らすための保全手法です。
製造現場では、設備停止による損失が非常に大きくなります。特にロボット、コンベヤ、サーボモータ、減速機、ポンプ、ファン、コンプレッサ、主軸、ベアリングなどの主要部品が突然故障すると、生産停止、納期遅延、品質不良、復旧工数増大につながります。予兆保全は、こうした突発停止リスクを減らし、設備稼働率を高める手段として注目されています。
予兆保全の基本は、正常時と異常の前兆を見分けることです。たとえばベアリングが劣化すると、振動波形や周波数成分、温度上昇、駆動電流の変化などに兆候が現れることがあります。モータや減速機でも、異音、トルク変動、発熱、消費電力の増加が早期サインになる場合があります。こうした データを継続的に収集し、閾値監視や統計分析、AI解析によって異常傾向を捉えるのが予兆保全の基本的な流れです。
実務では、予兆保全は単にセンサを付ければ成立するものではありません。重要なのは、どの設備の、どの故障モードを、どのデータで監視するかを明確にすることです。たとえば、振動が有効な設備もあれば、温度変化や電流変動のほうが見やすい設備もあります。監視対象を曖昧にしたままシステムを導入すると、データは集まっても活用できない状態になりがちです。
◆予兆保全でよく使われる監視対象には、次のようなものがあります。
・モータの電流値や負荷変動
・軸受や減速機の振動
・温度上昇
・エア圧や流量の低下


