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High-precision collaborative robot FAIRINO

Motion Smoothing

動作スムージング

動作スムージングとは、ロボットが複数の教示点(ティーチングポイント)を移動する際に、急停止や急加速を抑え、滑らかで連続した動きを実現する制御技術のことです。ポイントごとに完全停止するのではなく、速度や加速度を自動的に調整しながら自然な軌跡で移動することで、サイクルタイムの短縮や加工品質の向上につながります。


産業用ロボットや協働ロボットでは、多数のポイントを経由するプログラムが一般的です。各ポイントで停止と加速を繰り返すと、動作時間が長くなり、振動や機械への負荷も大きくなります。動作スムージングを利用すると、必要に応じてポイント付近を滑らかに通過し、より効率的な動作を実現できます。


メーカーによって名称は異なりますが、次のような機能が動作スムージングに該当します。


・ブレンディング(Blending)

・ゾーン設定(Zone)

・CNT(Continuous Motion:FANUC)

・Fly By(KUKA)

・Corner Rounding(コーナー丸め)

・スムーズモーション


例えば、

・部品搬送を高速化する

・ピックアンドプレースの待機時間を短縮する

・塗装やシーリングで滑らかな軌跡を維持する

・組立作業で不要な停止を減らす

といった用途で広く利用されています。


◆つまり動作スムージングとは、

 ロボットの移動を滑らかにし、効率と品質を向上させるための動作最適化技術です。



■動作スムージングの役割


動作スムージングの主な役割は、ロボットの動きを滑らかにし、生産性と設備寿命を向上させることです。


主に次のような目的で利用されます。


・サイクルタイムの短縮

・滑らかな動作の実現

・急停止・急加速の抑制

・振動の低減

・加工品質の向上

・工具寿命の延長

・設備負荷の軽減

・生産性の向上


◆つまり動作スムージングは、ロボットの性能を最大限に引き出すための重要な制御機能です。



■なぜ重要なのか


ロボットが各ポイントで完全停止すると、


・サイクルタイムが長くなる

・振動が発生しやすい

・ワークが揺れる

・工具への負荷が増える

・モーターや減速機への負担が大きくなる

といった問題が発生する場合があります。


動作スムージングを適切に設定すると、


・動作時間を短縮できる

・振動を抑えられる

・ロボットの動きが自然になる

・加工品質を維持しやすくなる

・機械部品の負荷を軽減できる

といったメリットがあります。


◆そのため動作スムージングは、

 高速かつ安定したロボット運転を実現するために重要な技術となっています。



■基本的な考え方


動作スムージングは、一般的に次のような流れで行われます。


1. 教示点を読み込む

ロボットが設定されたポイントを認識します。


2. 通過条件を判断する

停止が不要なポイントでは、そのまま通過できるか判断します。


3. 速度と加速度を調整する

急激な変化を避けるように自動制御します。


4. 滑らかに次のポイントへ移動する

軌跡を連続的につなぎ、自然な動作を実現します。


◆つまり動作スムージングは、

 ポイント間の移動を最適化し、停止と加速を最小限に抑える仕組みです。



■補間動作との違い


動作スムージングを理解するうえで重要なのが、補間動作との違いです。


△補間動作

教示点の間の軌跡を計算し、直線や円弧などの経路を生成する技術です。


△動作スムージング

補間された軌跡をより滑らかにつなぎ、停止や速度変化を最適化する技術です。


つまり、

・補間動作=軌跡を計算する技術

・動作スムージング=軌跡を滑らかに移動する技術

という違いがあります。



■繰り返し位置決め精度との違い


繰り返し位置決め精度とも役割が異なります。


△繰り返し位置決め精度

同じ位置へ何度でも正確に到達できる性能です。


△動作スムージング

移動中の速度や加速度を最適化し、滑らかな動作を実現する制御機能です。


つまり、

・繰り返し位置決め精度=位置の精度

・動作スムージング=動きの滑らかさ

という違いがあります。



■ロボットでの使われ方


動作スムージングは、特に次のような場面で利用されます。


1. ピックアンドプレース

不要な停止を減らし、高速搬送を実現します。


2. アーク溶接

滑らかな速度変化で品質を安定させます。


3. 塗装

一定速度を維持し、塗膜品質を向上させます。


4. シーリング

均一な塗布速度を維持します。


5. 組立作業

部品への衝撃を抑えながら効率的に動作します。


◆つまり動作スムージングは、

 高速動作と高品質の両立が求められる工程で広く活用されています。



■主なメリット


動作スムージングには、一般的に次のようなメリットがあります。


1. サイクルタイムを短縮できる

停止時間を減らし、生産性を向上できます。


2. 振動を低減できる

急加速・急停止を抑えられます。


3. 加工品質を安定できる

一定速度を維持しやすくなります。


4. 機械負荷を軽減できる

モーターや減速機への負担を抑えられます。


5. 動作が自然になる

滑らかな軌跡でロボットが動作します。



■注意点


一方で、動作スムージングには注意点もあります。


1. 通過精度が低下する場合がある

最も重要なのは、スムージング量を大きくしすぎると、教示点を正確に通過せず、

軌跡がわずかに変化する場合があることです。


2. 加工用途では慎重に設定する

高精度加工では通過誤差が品質へ影響することがあります。


3. 周辺設備との干渉を確認する

軌跡が変わることで干渉リスクが生じる場合があります。


4. メーカーごとに設定方法が異なる

CNTやZoneなど名称や設定値が異なります。


5. 実機で十分に検証する

シミュレーションだけでなく、実機での動作確認が必要です。



■実務で重要なポイント


動作スムージングを活用するには、次の点が重要です。


1. 用途に応じて設定値を調整する

最も重要なのは、搬送では大きめ、精密加工では小さめなど、作業内容に合わせて設定することです。


2. サイクルタイムと精度のバランスを取る

速度だけを優先せず、品質も考慮します。


3. 干渉チェックを行う

軌跡変更による接触がないか確認します。


4. シミュレーションを活用する

動作や軌跡を事前に検証します。


5. 実加工で品質を評価する

加工結果を確認し、最適な設定値を決定します。


6. メーカー仕様を確認する

使用するロボットの設定方法や制限事項を理解します。



■よくある課題


動作スムージングでは、次のような課題が起こりやすいです。


・設定値を大きくしすぎて軌跡が変わる

・加工精度が低下する

・干渉チェックを実施していない

・サイクルタイムだけを重視している

・メーカーごとの設定を理解していない

・シミュレーション結果だけで判断している

・実機検証が不足している

・用途に合わない設定を使用している


◆このため動作スムージングは単なる高速化機能ではなく、

 動作速度・軌跡・品質・設備負荷を総合的に最適化するための重要な制御機能

 として活用することが重要です。



■自動化との相性


動作スムージングは、自動化設備との相性が非常に良く、産業用ロボット、協働ロボット、搬送設備、組立ライン、溶接、塗装、シーリング、検査工程など幅広い分野で利用されています。


主なメリットは次の通りです。


・サイクルタイムを短縮できる

・振動を低減できる

・加工品質を向上できる

・設備への負荷を軽減できる

・滑らかな動作を実現できる

・生産性と設備寿命を向上できる



■まとめ


動作スムージングとは、ロボットが教示点間を移動する際に、急停止や急加速を抑え、滑らかで連続した動作を実現する制御技術です。補間動作で生成された軌跡を最適化し、サイクルタイムの短縮や加工品質の向上、設備負荷の軽減に貢献します。


実務では、作業内容に応じたスムージング設定、サイクルタイムと精度のバランス、干渉チェック、実機での検証が重要です。適切な設定を行うことで、高速かつ安定したロボットシステムを構築し、生産性と品質の向上を実現できます。

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