
Laser Welding / Laser Beam Welding / Robotic Laser Welding
レーザー溶接
レーザー溶接とは、レーザー光を高密度に集光し、その熱エネルギーで金属や一部材料を局所的に溶融して接合する溶接方法のことです。自動車部品、電池部品、精密板金、電子機器、医療機器、センサ部品、薄板金属部品など、高精度・低ひずみ・高速処理が求められる分野で広く使われています。
アーク溶接のように広い範囲へ熱を入れるのではなく、レーザーは非常に狭い範囲へ集中して熱を加えられるため、熱影響を抑えながら細かい接合ができるのが大きな特長です。そのため、微細部品や薄板、外観品質を重視する製品に向いています。
つまりレーザー溶接とは、高エネルギーのレーザー光で精密かつ高速に接合するための溶接工程です。
■レーザー溶接の役割
レーザー溶接の主な役割は、部材同士を必要な強度で接合しつつ、熱変形や外観変化をできるだけ抑えることです。
主に次のような目的で使われます。
・薄板金属の高精度接合
・微小部品や精密部品の接合
・外観重視部品の接合
・熱ひずみを抑えたい接合
・高速量産ラインでの接合
・異種金属や小型部品の一部接合
・シール性や気密性が必要な接合
◆つまり、レーザー溶接は精度・外観・量産性を両立したい場面で有効な接合技術です。
■なぜ重要なのか
従来の溶接では、熱ひずみ、焼け、スパッタ、後処理負担が課題になることがあります。特に精密部品や薄板では、少しの熱影響でも寸法変化や変色が問題になります。レーザー溶接はこうした課題を抑えやすく、製品品質向上と自動化の両面で価値があります。
レーザー溶接が重要な理由は次の通りです。
・熱影響を抑えやすいため
・ひずみや変形を小さくしやすいため
・微細で高精度な接合がしやすいため
・高速で自動化しやすいため
・後工程の仕上げ負担を減らしやすいため
・量産品の品質安定化に向いているため
◆特に、精密板金、電池ケース、電子部品では、レーザー溶接品質が製品性能に直結します。
■主な対象
レーザー溶接の対象には、次のようなものがあります。
・薄板金属部品
・ステンレス、鉄、アルミ部品
・電池ケースやバスバー
・自動車用精密部品
・センサ、電子機器部品
・医療機器部品
・気密容器
・外観重視の板金部品
◆材質、板厚、継手形状、必要な溶け込み深さによって、適切なレーザー出力や方式を選ぶ必要があります。
■主なレーザー溶接方式
レーザー溶接にはいくつかの代表的な方式があります。
1. 伝導型レーザー溶接
母材表面から熱を伝えて接合する方式です。比較的浅い溶け込みで、外観を重視する薄板接合に向いています。
2. キーホール型レーザー溶接
高出力レーザーで深い溶け込みを得る方式です。狭いビード幅で、比較的深い溶接が可能です。
3. レーザーろう付け
母材を大きく溶かさず、ろう材を使って接合する方法です。外観品質や歪み低減を重視する場面で使われます。
4. ハイブリッド溶接
レーザーとアークを組み合わせる方式です。深い溶け込みやギャップ許容性を高めたい場合に使われることがあります。
■実務で重要なポイント
レーザー溶接を安定して行うには、次の点が重要です。
1. 継手精度
レーザーは熱を狭い範囲に集中させるため、部材同士の隙間や位置ズレに比較的敏感です。継手ギャップが大きいと、十分な接合ができないことがあります。部材精度と治具精度が非常に重要です。
2. 焦点位置の管理
レーザーの焦点位置がずれると、エネルギー密度が変わり、溶け込み不足や過熱 の原因になります。高さばらつきやワーク反りも考慮する必要があります。
3. 材料表面状態
油、酸化膜、汚れ、めっき状態によって吸収率や溶融状態が変わることがあります。表面状態の管理が品質安定に重要です。
4. 出力と速度の条件設定
レーザー出力、走行速度、焦点径、照射位置が適切でないと、未溶着、焼け、穴あき、ビード不安定が起こります。材料ごとの条件最適化が必要です。
5. シールドガス
必要に応じてアルゴンや窒素などのシールドガスを使い、酸化やプラズマの影響を抑えることがあります。材質や品質要求に応じた選定が重要です。
6. 安全対策
レーザーは高エネルギーで危険性が高いため、遮光、安全カバー、インターロック、反射対策などの安全設計が不可欠です。
■よくある不良
レーザー溶接では、次のような不良が起こりやすいです。
・未溶着
・溶け込み不足
・焼けや変色
・穴あき
・ビード蛇行
・ブローホール
・割れ
・ギャップ部の接合不良
・焦点ズレによる品質ばらつき
◆これらは見た目だけでなく、強度不足や気密不良の原因にもなります。
■ロボット化との相性
レーザー溶接は、ロボット自動化との相性が非常に良い工程です。ロボットと組み合わせることで、複雑な軌道や多点接合にも対応しやすく、量産品質の安定化に役立ちます。
ロボットレーザー溶接の主なメリットは次の通りです。
・溶接軌道の再現性が高い
・高速処理しやすい
・外観品質を安定させやすい
・多品種対応しやすい
・作業者の高熱作業を減らせる
・インライン自動化しやすい
◆一方で、ロボット化しても、治具精度、継手ギャップ、焦点位置管理が不十分だと品質は安定しません。そのため、位置再現性の高い設備設計が必要です。
■実務でのチェックポイント
・対象材質と板厚を把握しているか
・レーザー溶接が適した継手形状か
・部材ギャップや位置ズレを管理できるか
・焦点位置や高さ精度を安定させられるか
・出力、速度、ガス条件を最適化しているか
・必要な強度や気密性を評価できるか
・安全対策を十分に講じているか
・ロボット化する場合、治具精度とワーク再現性を確保できるか
■関連用語
・アーク溶接
・スポット溶接
・レーザーろう付け
・シールドガス
・溶接ビード
・熱影響部
・治具精度
・ロボット溶接
■まとめ
レーザー溶接とは、レーザー光の高密度エネルギーで部材を局所的に溶融し、高精度に接合する溶接方法です。薄板、精密部品、外観重視部品で特に有効で、低ひずみ・高速・自動化しやすい点が大きな特長です。
実務では、継手精度、焦点位置、表面状態、出力条件、安全対策まで含めて設計することが重要です。安定したレーザー溶接を実現できれば、接合品質向上、量産性向上、後工程削減に大きくつながります。
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