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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

Dowel Pin / Knock Pin / Locating Pin

ノックピン(位置決めピン)

ノックピン(位置決めピン)とは、部品、治具、プレート、金型、機械要素などを所定の位置に正確に合わせ、組付け時の位置再現性を確保するための円筒状ピンのことです。機械設計や治具設計、設備組立、ロボット周辺機器の固定などで広く使われ、位置ずれ防止、再組立精度の確保、繰り返し精度向上に重要な役割を持ちます。


ボルトは部品を締結して固定する役割を持ちますが、ボルトだけでは穴と軸のすきまの影響で、厳密な位置決めはできません。そこでノックピンを併用することで、部品同士の相対位置を高精度に決め、組付けるたびに同じ位置関係を再現できるようにします。つまり、ノックピンは「締結のための部品」ではなく、位置決めのための基準部品です。


実務では、ノックピンは治具プレート、ロボットハンド取付板、センサブラケット、金型合わせ面、機械の位置決め面など、精度が要求される場所で用いられます。たとえば治具を交換する設備では、毎回ボルトだけで取り付けると微妙な位置ズレが発生しやすくなりますが、ノックピンを使えば脱着後も同じ位置に戻しやすくなります。これにより、段取り替え時間短縮、再調整工数削減、品質安定化につながります。


ノックピンには、ストレートピン、テーパピン、スプリングピンなどいくつかの種類がありますが、一般的に「位置決めピン」として多く使われるのは高精度なストレート形状のダウエルピンです。穴側もリーマ加工などで精度よく仕上げ、ピンとのはめあいを適切に設計することで、高い繰り返し位置精度を得ることができます。


設計上重要なのは、ノックピンでどの自由度を拘束するかを明確にすることです。位置決めピンを2本使う場合でも、単純にきつく2点拘束すると、部品寸法ばらつきや熱膨張で組みにくくなることがあります。そのため、実務では「丸ピン+長穴」や「基準ピン+逃がし」の考え方を用いて、必要な方向だけを拘束し、過拘束を避ける設計がよく行われます。


また、ノックピンは高精度部品である一方、使い方を誤ると問題も起こります。よくあるのは、ピン穴精度不足、圧入しすぎによる変形、脱着頻度が高い場所での摩耗、締結力不足によるガタ、ピンだけで荷重を受けさせてしまう設計などです。本来、ノックピンは位置決めが役割であり、主荷重はボルト締結面や支持面で受けるのが基本です。ピンをせん断荷重の主受けにすると、摩耗や破損の原因になります。


ロボット設備では、ノックピンはハンド交換部、ツールスタンド、カメラブラケット、校正治具マウント、段取り替え治具などで特に重要です。これらの部位は再現性が求められるため、ノックピンの有無で設備精度や立上げ時間に大きな差が出ます。特に脱着前提の部品では、ノックピンによって「再調整不要で戻せる設計」を実現しやすくなります。


つまり、ノックピン(位置決めピン)とは、部品同士の位置関係を高精度に決め、再組立時も同じ位置を再現するための基準部品です。機械や自動化設備では目立たない存在ですが、組立精度、段取り性、品質安定性を支える非常に重要な要素です。


◆主な役割

・部品や治具の高精度位置決め

・再組立時の位置再現性確保

・ズレ防止

・段取り替え後の再調整削減

・組立精度、加工精度の安定化

・機械基準面の再現


◆実務でのチェックポイント

・ノックピンとボルトの役割を分けて設計しているか

・ピン穴精度やリーマ加工精度は十分か

・過拘束にならないピン配置になっているか

・丸ピンと逃がし側の使い分けが適切か

・脱着頻度に対して摩耗しにくい構造か

・主荷重をピンで受ける設計になっていないか

・組立や交換がしやすい位置に配置されているか

・熱膨張や寸法ばらつきを考慮しているか


◆関連用語

・ダウエルピン

・テーパピン

・位置決め治具

・基準面

・リーマ穴

・過拘束

・治具交換

・繰り返し位置精度


■まとめ

ノックピン(位置決めピン)とは、部品や治具の位置を高精度に合わせ、再組立時も同じ位置関係を再現するためのピンです。

ボルトだけでは難しい精密な位置決めを実現でき、機械設計、治具設計、ロボット設備で広く使われます。設計時は、穴精度、ピン配置、過拘束防止、荷重の受け方まで含めて検討することが重要です。

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