
Adhesive Application / Sealant Application / Dispensing and Sealing
接着剤塗布(シーリング)
接着剤塗布(シーリング)とは、接着剤やシーラントを対象物の表面や接合部へ所定の量・位置・形状で塗布し、接着、固定、封止、防水、防塵、気密を実現する工程のことです。
自動車、電子機器、建材、板金筐体、樹脂部品、電池部品、設備組立など、幅広い分野で使われています。
「接着剤塗布」は、部品同士を貼り合わせる目的で行う場合が多く、「シーリング」は、隙間を埋めて水、空気、粉じん、油、薬液などの侵入や漏れを防ぐ目的で行う場合に使われます。
実務では両者が重なることも多く、同じディスペンス工程として扱われることもあります。
つまり接着剤塗布(シーリング)とは、材料を必要な場所へ適量塗布し、接合機能や封止機能を与えるための重要な工程です。
■接着剤塗布(シーリング)の役割
この工程の主な役割は、部材同士を接着したり、隙間を塞いだりして、製品に必要な機能を持たせることです。主に次のような目的で使われます。
・部品同士の接着固定
・振動や衝撃の緩和
・防水、防塵、気密の確保
・液漏れ、ガス漏れ防止
・異種材同士の接合
・ねじや溶接を使いにくい部材の固定
・外観上のシールライン形成
◆つまり、接着剤塗布やシーリングは、締結・封止・保護を同時に実現する機能工程です。
■なぜ重要なのか
接着剤やシーラントは、ただ付いていればよいわけではありません。塗布量が不足すると接着強度不足やシール切れが起こり、多すぎるとあふれ、外観不良、組付け不良、硬化不良の原因になります。また、位置ズレがあると、本来守るべき部分を覆えず、防水不良や漏れにつながります。
この工程が重要な理由は次の通りです。
・接着強度を安定させるため
・防水、防塵、気密性能を確保するため
・異種材や薄板を無理なく接合するため
・ねじや溶接では対応しにくい構造を成立させるため
・外観品質と機能を両立するため
・製品寿命や信頼性を高めるため
◆特に、電子機器筐体や車載部品では、シーリング不良がそのまま市場不良につながることがあります。
■主な対象
接着剤塗布(シーリング)の対象には、次のようなものがあります。
・板金筐体
・樹脂カバー
・ガラスや透明部材
・電子機器ケース
・電池ケースやモジュール
・車載部品
・防水カバー
・配管接続部
・建材パネル
・装置の合わせ面や継ぎ目
◆材質、用途、使用環境によって、接着剤やシーラントの種類は大きく変わります。
■主な塗布方式
接着剤塗布やシーリングには、いくつかの代表 的な方法があります。
1. 手作業塗布
カートリッジガンやヘラを使って作業者が塗布する方法です。少量品や補修には向いていますが、塗布量やビード形状にばらつきが出やすいです。
2. ディスペンサ塗布
定量吐出装置で材料を押し出して塗布する方法です。量産ラインで広く使われ、塗布量の安定化に有効です。
3. ロボット塗布
ロボットアームでノズルを動かし、複雑な経路へ一定条件で塗布する方法です。曲線、角部、多品種対応に向いています。
4. 2液混合塗布
主剤と硬化剤を混ぜながら塗布する方法です。高機能接着剤や構造接着で使われます。混合比管理が非常に重要です。
5. スクリーン・パターン塗布
決まった形状の塗布パターンを転写や印刷に近い形で形成する方法です。電子部品や一部精密用途で使われます。
■実務で重要なポイント
接着剤塗布(シーリング)を安定運用するには、次の点が重要です。
1. 塗布量の管理
最も重要なのは適量を安定して出すことです。少なすぎると機能不足、多すぎるとあふれや外観不良の原因になります。ビード幅、高さ、長さで管理することが多いです。
2. 塗布位置の精度
接着やシールは位置がずれると意味を失います。合わせ面の中心、シール溝の中、穴周囲など、必要位置へ正確に塗布することが重要です。
3. 材料特性の理解
接着剤やシーラントには、粘度、チキソ性、硬化時間、可使時間、収縮、耐熱性、耐薬品性などの特性があります。用途に合わない材料を選ぶと、硬化不良や耐久不足が起こります。
4. 前処理
塗布面に油、水分、粉じん、離型剤が残っていると、密着不良の原因になります。脱脂やプラズマ処理、プライマー処理が必要なこともあります。
5. 硬化条件
塗った後の硬化時間、温度、湿度が不適切だと、十分な強度やシール性が得られません。塗布工程は吐出だけでなく、その後の養生まで含めて管理する必要があります。
6. ビード形状
シーリングでは、連続して切れ目のないビードが形成されることが重要です。角部で細くなる、始点終点でダマになる、途中で切れると不良につながります。
■よくある不良
接着剤塗布(シーリング)では、次のような不良が起こりやすいです。
・塗布量不足
・塗布量過多
・位置ズレ
・ビード切れ
・気泡混入
・硬化不良
・密着不良
・糸引きや垂れ
・始点終点のダレ
・外観汚れやはみ出し
◆これらは、接着強度不足、防水不良、気密不良、外観不良の原因になります。
■ロボット化との相性
接着剤塗布やシーリングは、ロボット自動化との相性が非常に良い工程です。一定速度、一定吐出、一定経路で塗布しやすく、量産品質の安定化に役立ちます。
ロボット塗布の主なメリットは次の通りです。
・塗布量の安定
・ビード形状の均一化
・複雑形状への対応
・作業者負担の軽減
・多品種切替への対応
・記録と条件管理がしやすい
◆一方で、自動化しても、ワーク位置ずれ、ノズル詰まり、材料粘度変化があると品質は安定しません。そのため、供給条件とワーク位置再現性が重要です。
■実務でのチェックポイント
・接着目的かシール目的か明確か
・対象材質に合った材料を選んでいるか
・塗布量とビード形状を管理できているか
・塗布位置の精度を確保できているか
・前処理が十分か
・硬化条件や可使時間を理解しているか
・外観不良やはみ出し対策があるか
・自動化する場合、ノズル管理とワーク位置再現性を確保できるか
■関連用語
・ディスペンサ
・シーラント
・接着
・ガスケット
・防水シール
・2液混合
・ロボット塗布
・表面処理
■まとめ
接着剤塗布(シーリング)とは、接着剤やシーラントを必要な場所へ適量塗布し、接合、固定、防水、防塵、気密などの機能を持たせる工程です。電子機器、板金筐体、車載部品、建材など幅広い分野で重要な役割を持ちます。
実務では、塗布量、塗布位置、材料特性、前処理、硬化条件、ビード形状まで含めて管理することが重要です。安定した接着剤塗布・シーリング工程を実現できれば、製品信頼性、外観品質、省人化の向上に大きくつながります。
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