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高精度協働ロボットのFAIRINO(フェアリノ・ファイリノ)

Absolute Encoder

絶対値エンコーダ

絶対値エンコーダとは、現在位置を絶対的な値として検出できるエンコーダのことです。産業用ロボット、協働ロボット、工作機械、搬送装置、サーボ軸、精密位置決め装置などで広く使われており、特に原点管理や再起動後の位置把握が重要な設備で非常に重要な部品です。


一般的なエンコーダには、インクリメンタルエンコーダと絶対値エンコーダがあります。インクリメンタル方式は「どれだけ動いたか」を相対的に検出するのに対し、絶対値エンコーダは「今どこにいるか」を位置情報そのものとして検出できます。


たとえば、電源を切っても現在位置が分かる仕組みを持つ機種では、再投入後に原点復帰動作なしで位置を把握しやすくなります。ロボットでは、各関節軸の角度を正確に把握することが重要なため、絶対値エンコーダが使われる場面が非常に多いです。


つまり絶対値エンコーダとは、軸の現在位置を絶対的な値で把握し、原点管理や高精度制御を支える位置検出器です。


■絶対値エンコーダの役割


絶対値エンコーダの主な役割は、ロボットや装置の各軸が今どの位置にあるかを正確に検出し、制御系へ伝えることです。


主に次のような目的で使われます。


・現在位置の絶対値検出

・原点管理

・再起動後の位置把握

・高精度位置決め

・関節角度の管理

・サーボ制御のフィードバック

・異常時復旧の迅速化

・繰り返し精度の維持


つまり、

◆絶対値エンコーダは装置やロボットが自分の位置を見失わないための重要な位置検出器です。



■なぜ重要なのか


ロボットや自動機は、今どこにいるかが分からなければ正確に動けません。たとえば、


・狙った位置へ正確に止まる

・電源再投入後に同じ状態へ復帰する

・原点ずれを防ぐ

・各関節の角度を常に把握する

・異常停止後に安全に復旧する


といったことが必要です。


ここで絶対値エンコーダがない、または正常に働かないと、


・原点復帰が必要になる

・原点ずれが起こる

・復旧に時間がかかる

・位置情報を失う

・誤位置での動作リスクが増える

・ロボット精度が不安定になる


といった問題が起こります。


そのため、

◆絶対値エンコーダは単なる位置センサではなく、ロボットの精度、再起動性、保守性、

 安全性を支える重要部品です。



■基本的な仕組み


絶対値エンコーダは、軸の回転位置を特定のコードやデジタル情報として検出し、現在位置を一意に識別できるようにしています。


1. 軸の回転を検出する

モーター軸や関節軸の角度を検出します。


2. 位置を固有の信号に変換する

回転位置ごとに異なるコードやデジタル値を持たせます。


3. 制御系へ位置情報を送る

サーボアンプやコントローラーがその値を読み取り、現在位置として扱います。


4. 再起動後も位置を把握しやすい

方式によっては、電源を切っても位置情報を保持または再現できます。


つまり、

◆絶対値エンコーダは各位置に固有の情報を持たせることで、今いる場所を直接判断できる仕組みです。


■インクリメンタルエンコーダとの違い

絶対値エンコーダを理解するうえで、最も重要なのがインクリメンタル方式との違いです。


インクリメンタルエンコーダ

どれだけ動いたかをパルスの増減で検出します。相対位置は分かりますが、電源断後は位置を失うことがあります。


絶対値エンコーダ

現在位置そのものを絶対値で検出します。再起動後も位置を把握しやすいのが特徴です。


つまり、

・インクリメンタル=移動量を検出

・絶対値=現在位置を直接検出という違いがあります。


◆ロボットでは、原点復帰の手間や位置ずれリスクを減らせる点で絶対値方式が重要です。



■シングルターンとマルチターン


絶対値エンコーダには、一般的に次の2種類があります。


1. シングルターン絶対値エンコーダ

1回転の中での位置を絶対値として検出する方式です。


2. マルチターン絶対値エンコーダ

1回転内の位置だけでなく、何回転したかも含めて絶対位置を検出する方式です。


ロボットや搬送軸では、複数回転を扱う場合もあるため、マルチターン方式が重要になることがあります。


■ロボットとの関係


ロボットでは、各関節軸の角度情報が非常に重要です。絶対値エンコーダがあることで、


・各関節の現在角度を把握できる

・電源再投入後も位置を復元しやすい

・原点復帰作業を省略しやすい

・異常停止後の復旧を早くしやすい

・安全な軌道再開に役立つといったメリットがあります。


つまり、

◆絶対値エンコーダはロボット各関節が今どこを向いているかを把握するための基盤技術です。



■サーボモーターとの関係


絶対値エンコーダは、サーボモーターと一体または近接して使われることが多いです。


サーボモーター

実際に軸を回転させる駆動源です。


絶対値エンコーダ

その軸が今どの位置にあるかを検出するセンサです。


つまり、

・サーボモーター=動く側

・絶対値エンコーダ=位置を検出する側という関係です。



■主なメリット


絶対値エンコーダには、一般的に次のようなメリットがあります。


1. 原点復帰しやすい、または不要にしやすい

再起動後も位置を把握しやすく、復旧時間短縮に役立ちます。


2. 位置ずれリスクを減らしやすい

相対位置方式に比べて、位置情報を見失いにくいです。


3. 保守、復旧がしやすい

異常停止後の位置確認や再立上げを進めやすくなります。


4. 高精度制御に向く

現在位置を明確に把握しやすいため、精密な位置決めに役立ちます。


5. ロボットとの相性が良い

多軸関節の現在角度を常時把握する用途に向いています。



■注意点


一方で、絶対値エンコーダには注意点もあります。


1. バックアップ管理が必要な場合がある

方式によっては、位置保持のためにバッテリーや補助電源が必要なことがあります。


2. 本体だけでなく周辺異常も影響する

ケーブル断線、コネクタ不良、ノイズなどでもエンコーダ異常が出ることがあります。


3. 絶対値でも万能ではない

機械的なズレ、減速機の損傷、カップリング緩みがあれば、位置情報だけでは完全に保証できません。


4. コストが高くなる場合がある

インクリメンタル方式より高機能なため、コスト面で不利な場合があります。


5. 電池寿命管理が必要な場合がある

バッテリー方式では、電池切れで位置保持に影響することがあります。



■実務で重要なポイント


絶対値エンコーダを正しく理解、運用するには、次の点が重要です。


1. バッテリー有無を確認する

最も重要なのは、その絶対値保持方式がバッテリー式なのか、電池不要式なのかを把握することです。


2. 原点管理とセットで考える

絶対値方式でも、機械側のズレや交換作業後には原点確認が必要になる場合があります。


3. エンコーダ異常は周辺も疑う

本体故障だけでなく、ケーブル、コネクタ、ノイズ、電源条件を含めて切り分けることが重要です。


4. バッテリー交換手順を標準化する

バッテリー式なら、交換タイミングや交換中の扱いを誤ると位置情報に影響することがあります。


5. 異常履歴を活用する

サーボアラームや位置異常履歴から、予兆や断続的な問題を見つけやすくなります。


6. 機械側要因も確認する

減速機、カップリング、固定部の緩みが位置異常の原因になることもあります。




■よくある課題


絶対値エンコーダの運用では、次のような課題が起こりやすいです。


・絶対値だから原点管理不要と思い込む

・バッテリー交換時期を見落とす

・実はケーブル断線や接触不良

ノイズ影響を軽視する

・機械的ズレとセンサ異常を混同する

・異常時にリセットだけして原因を見ない

・交換後の基準確認を怠る

・インクリメンタル方式との違いを理解していない


このため、

◆絶対値エンコーダは便利な一方、位置保持の仕組みと保守条件を理解して管理すべき重要部品です。



■自動化との相性


絶対値エンコーダは、自動化設備との相性が非常に良い位置検出器です。特に、ロボット、多軸装置、原点復帰を減らしたい設備、復旧時間を短縮したいラインで大きな効果があります。


主なメリットは次の通りです。


・再起動後の復旧を早くしやすい

・位置ずれリスクを減らしやすい

・原点管理を安定させやすい

・高精度制御に向いている

・ロボット各軸との相性が良い

・設備全体の稼働率向上につながりやすい



■まとめ


絶対値エンコーダとは、現在位置を絶対的な値として検出できるエンコーダです。インクリメンタル方式と異なり、今どこにいるかを直接把握しやすく、ロボットや自動機の原点管理、高精度位置決め、復旧性向上に大きく役立ちます。シングルターン方式やマルチターン方式があり、用途に応じて使い分けられます。


実務では、絶対値方式だから安心と考えず、バッテリー管理の有無、ケーブルやコネクタの状態、機械側のズレまで含めて管理することが重要です。適切に運用できれば、ロボット自動化の精度、復旧性、信頼性を大きく高めることができます。

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