
Master-Slave Communication
マスタ・スレーブ
マスタ・スレーブとは、通信システムにおいて1つの制御装置(マスタ)が複数の機器(スレーブ)を管理しながら通信を行う方式のことです。
この方式では、通信の開始や制御はすべてマスタ側が行い、スレーブはマスタからの指示や要求に応答する形で動作します。つまり、通信の主導権は常にマスタ側にあるのが特徴です。
マスタ・スレーブ方式は、産業機器の制御システムやフィールドバス通信で広く採用されています。
■マスタ・スレーブ通信の基本構造
通信構造は次のようになります。
Master
├ Slave 1
├ Slave 2
├ Slave 3
└ Slave 4
役割 | 内容 |
マスタ | 通信制御・データ要求 |
スレーブ | 要求に応答しデータ送信 |
マスタが順番にスレーブへ問い合わせを行い、スレーブは要求されたデータを返します。
■通信の流れ
マスタ・スレーブ通信は次のように行われます。
1️⃣ マスタがスレーブへ通信要求を送信
2️⃣ 指定されたスレーブがデータを返信
3️⃣ 他のスレーブは待機
4️⃣ マスタが次のスレーブへ通信
この方式はポーリング通信とも呼ばれることがあります。
■マスタ・スレーブ方式の特徴
特徴 | 内容 |
通信制御 | マスタが管理 |
構造 | シンプル |
通信衝突 | 起きにくい |
拡張性 | ノード追加が容易 |
通信の管理が集中しているため、システム構成がわかりやすいというメリットがあります。
■FA・産業ネットワークでのマスタ・スレーブ
工場の自動化設備では、マスタ・スレーブ通信は以下のような通信で使用されています。
通信方式 | マスタ | スレーブ |
Modbus RTU | PLC | センサー |
Modbus TCP | PLC | I/O装置 |
RS-485通信 | PLC | 計測機器 |
I/O制御 | コントローラ | I/Oモジュール |
例
PLC(マスタ)
↓
インバータ
センサー
I/Oユニット
温度計
PLCが各機器に通信要求を送り、状態データを取得します。
■マスタ・スレーブと最新通信方式
最近のネットワークでは、次のような新しい通信モデルも増えています。
通信モデル | 特徴 |
クライアント・サーバ | ITネットワーク |
パブリッシュ / サブスクライブ | IoT通信 |
Peer to Peer | 分散通信 |
例えば
OPC UA
MQTT
などはマスタ・スレーブとは異なる通信モデルです。
■用語の変化(最新トレンド)
近年は、用語の配慮から次の表現も使用されています。
従来用語 | 新しい表現 |
Master | Primary |
Slave | Secondary |
ただし、FA業界では現在でもマスタ・スレーブという用語が一般的に使用されています。
■まとめ
マスタ・スレーブとは、1つの制御装置(マスタ)が通信を管理し、複数の機器(スレーブ)がその指示に応答する通信方式です。
PLCを中心とした産業ネットワークやフィールドバス通信で広く使用されており、FAシステムの基本的な通信構造となっています。
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